2月の記録的な大雪を受け、雪害対策について話す前田洋明支社長=石川県金沢市のJR西日本金沢支社

 就任から1カ月がたったJR西日本金沢支社の前田洋明支社長(55)=福井県福井市出身=が、福井新聞のインタビューに応じた。2月の記録的な大雪で在来線の運休が相次いだことを受け、「雪の深さを測る積雪深計を北陸線の鯖江、丸岡、能美根上(石川県)の3駅に新たに設置し、計13カ所(うち福井県内9カ所)にする」との方針を示した。

 -雪害対策と利用者への情報提供の検討は。

 「大雪の際は本当にご迷惑をおかけした。雪の多い地点など過去の経験だけでは予測しづらくなってきた。観測点を密にしてよりきめ細かな情報を基に除雪計画を立てていく。倒木で線路がふさがれることのないよう、定期的に巡回し木を切るなどの対策も必要。電車は安全上止めざるを得ないときもあるが、一刻も早く復旧させないといけない。利用者への情報提供は文字だけでなく、積雪地の状況を画像で届けることも効果があると感じた。ホームページなどでお知らせすることも検討して冬に備えたい」

 -北陸新幹線は開業4年目も好調だが。

 「観光客に下支えしてもらっているのが第一。3大都市圏から誘客を図るジャパニーズビューティー北陸の観光キャンペーンを毎年切れ目なく行っているのが功を奏しているのでは。インバウンド(訪日外国人客)が増えているのも要因として大きい」

 -敦賀開業を控え、県内4駅周辺のまちづくりなどへの協力は。

 「福井駅はハピリンができてにぎわったが、この効果で満足していいのか。アオッサやプリズムも含めて、より一体感のある福井らしい魅力を高める必要がある。JRとして山陽新幹線の駅のまちづくりの経験を踏まえ、知識やノウハウを(自治体に)伝えながら各駅周辺の整備に協力していきたい。当社の福井支店が県内5地区の人と作っている体験型観光素材を集めた無料冊子『ふくのね』が“入り口”になればいいと思う」

 ―インバウンドへの福井駅での対応は。

 「金沢駅には多言語が話せる社員がいるが、福井駅には配置していない。タブレットで翻訳ソフトを活用したり、写真で案内できるように工夫したりしている。敦賀開業でインバウンドがどれだけ増えるか分からないが、英語が得意な社員が教え合うなど対応を考えなくてはいけない」

 ―北陸新幹線へのフリーゲージトレイン(FGT)導入が困難な情勢となったが、どう見る。

 「報道で認識はしているが、会社として国から説明を受けたわけではないので、今の時点でコメントは難しい。九州新幹線長崎ルートで導入されて安全が確認され、北陸でも雪などの課題が解決されればというのが前提だったので、(九州の断念は)影響が大きいと感じる」

 -9月15日から北陸線県内区間で交通系ICカード「ICOCA(イコカ)」が導入されるが、どう変わる。

 「切符を買わなくてもいいのが一番のメリット。緑の窓口に長い列をつくって切符を購入していた人がイコカを使えば、それだけ待ち時間が少なくなる。200キロ以内の利用ではあるが、キャッシュレスで行ける。街中の店舗でもイコカ決済できるところがあるので、買い物も便利になるだろう」

関連記事
あわせて読みたい