【論説】高浜町の若狭和田海水浴場が、安全や環境保全などの基準を満たした海岸に与えられる国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得し3年目の夏を迎えた。厳しい基準を安定してクリアし続ける一方、海に来てもらうための売り込み策も形が整ってきた。昨年から始めたインバウンド(訪日外国人客)向けPR策が効果を上げ始めるなど、明るい兆しを見せている。

 同海水浴場は2016年、アジアで初めて同認証を取得。水質や環境教育、安全性などの基準を満たすことが必要となっている。欧米では広く知られ、認証がないビーチには訪れないほどだが、国内での認知度はまだ低い。町ではこの点を踏まえ、国内外に効果的に発信するための方策を打ち出している。

 昨年、インバウンド向けに国内の観光地を紹介する専門サイトに記事を掲載。アクセスは次第に伸び、最近はサイト内のランキングで上位になる好評ぶり。記事には認証ビーチであることをはじめ「京都から2時間足らず」などの文章が並ぶ。効果が出始めており、町によると今夏は目に見えて欧米からの旅行客が増えているという。

 一方、国内では会員制交流サイト(SNS)を活用するほか、認証の認知度を上げようと、全国の自治体に認証に興味を持ってもらうための資料を提供している。有名なビーチに認証を取得してもらうことで、認証への認知度を上げる作戦だ。既に神戸市の須磨海水浴場が取得へ意欲を見せているという。

 ただ認証ビーチが増えるほど、他を上回る良さがなければ地域間競争を勝ち抜けないだろう。町では若狭和田海水浴場を軸に魅力的な地域づくりと、四季を通じた海の楽しみを実現しようと、今春、「ブルーフラッグアカデミー」事業を本格的に始めた。

 5月、空き店舗を改修し、交流拠点を開設。県外からの客に「高浜の応援団」といった思いを持ってもらい、同施設を拠点に住民と交流しながら高浜を楽しんでもらう狙いだ。

 四季を通じた楽しみづくりでは、海辺の教育や体験事業に重点を置く。これまでもあったシーカヤック体験のほか、今春からは民間業者の参入を得て、スタンドアップパドルなどもメニューに加わった。

 同海水浴場にはライフセーバーとして活動しようという人が、県外から相次いで移住している。理由を聞くと、そろって返ってくるのは「海がすごくきれいだから」という言葉。数あるビーチから若狭和田を選んだだけに、魅力は十分といえる。町の各種事業は基礎が固まったところだが、地道にレベルを上げさらに大きく発展させてもらいたい。

関連記事