正面扉と両側のくぐり戸が取り外された唐門=福井市の一乗谷朝倉氏遺跡

 福井市は、国から特別史跡、特別名勝、重要文化財の三重指定を受けている一乗谷朝倉氏遺跡のシンボル、唐門の扉の修復に54年ぶりに取り組んでいる。現在は正面扉と左右のくぐり戸が取り外され骨組みだけの状態。寒々とした雰囲気となっているが、3月中にはきれいに修復された扉が取り付けられ、本来の姿を取り戻す。

 唐門は江戸時代中期に建てられたもので、現在も大部分は当時の木材が使われている。扉も当時の木材が使用され、高さ2・3メートル、横幅1・1メートルのケヤキ製。くぐり戸は高さ1・1メートル、横幅0・7メートル。

 扉は常時開放されており、毎年8月に同遺跡で行われる越前朝倉戦国まつりの戦国時代行列のときだけ開け閉めする。金具が劣化したり取れて無くなっていたりするほか、表面がはがれてきているなど老朽化が激しかった。くぐり戸も板材の下部が傷んで腐ってきていた。開閉すると、きしみやぐらつきがあったという。

 市は来場者が比較的少ない1月中旬に扉やくぐり戸計4枚を取り外し、鯖江市内の建材業者に修復を依頼。傷みの激しい部分は切り取って新しい木材を付け足すほか、金具を新調する。修復後はもともとの板材の色と違和感のないよう、古びた質感を持たせる「古色(こしょく)仕上げ」で色を塗る。事業費は400万円。

 扉2枚とくぐり戸2枚が外された唐門は、骨組みだけが残っている状態。朝倉氏遺跡保存協会の岸田清会長(69)は「唐門のこんな姿が見られるのは50〜60年に1度だけ。扉がないからといって残念がらないでほしい」と来場者に呼び掛けている。

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