手術中に重要部位を刺激して機能障害の有無などを確認する「術中モニタリング」=福井市の福井赤十字病院

 脳神経外科や整形外科分野の手術では脳、脊髄、脊椎など極めて重要な器官・部位が含まれるため、術後に運動まひ、しびれといった神経症状などが出る可能性がある。これらをできるだけ抑え、手術の安全性を高めるために大きな役割を果たすのが、手術中に重要部位を電気刺激して機能を確かめる「術中モニタリング」だ。福井赤十字病院(福井市)では、最新の装置を取り入れ、手術室に入れる経験豊富な臨床検査技師を増やすなど力を入れている。

 術中モニタリングは、大病院を中心に全国的に導入されている。福井赤十字病院では2010年度に開始。年々適用件数は増え、近年は30〜35件で推移している。脳神経外科医師、麻酔科医師、臨床検査技師らがチームを組んで推進しているのが特長の一つ。医師が手術の傍らモニタリングする医療機関もある中、執刀する医師のそばで2人の臨床検査技師がモニター前に座り、電極を通じてモニターに送られてくる信号、波形に異常がないか目を光らせる。

 病変や術式により、さまざまなモニタリングが適用される。同病院では▽脳の運動中枢を刺激して、手足の筋肉の筋電図を調べる「運動誘発電位」▽感覚神経を刺激し、頭皮などで電気信号を拾う「体性感覚誘発電位」▽術中に音を聞かせ、頭皮から電気信号を拾う「聴性脳幹反応」▽顔面の筋肉から誘発される筋電図を記録し、神経の働きを監視する「顔面神経誘発筋電図」−などを取り入れている。

 昨春にはモニター機器を最新式にした。30チャンネルを備え、多くの信号を同時にキャッチできるようになった。手術室に入って機器を扱える臨床検査技師の数は33人中8人に増やした。脳神経外科の宮腰明典副部長は「脳外科手術の場合、病変の切除と機能温存の両立が大事。執刀していると肉眼的な評価しかできないが、チームで協力して機能的な評価を行うことでオペに集中することができる」と話す。

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