生息地が本県など四府県に限られ、絶滅の恐れがあるアベサンショウウオがふ化の時期を迎え、福井県内生息地でも幼生が姿を見せ始めている。十一日には坂井地区北部の湿地で、県両生爬虫類研究会の川内一憲副会長(58)が生後間もない幼生約二十匹を見つけた。県内の生息地では越前市が有名だが、一九九八年に県内で初めて確認された坂井地区北部でも、アベサンショウウオがわき水の出る谷あいで、細々ながら生息地を保っている。

 アベサンショウウオは体長一○センチほどの両生類で、十一—十二月に産卵し二月にふ化する。川内さんがこの日確認した幼生は、二月上旬にふ化したとみられ、まだ後ろ足が生えておらず体長は一・五センチほど。谷あいの水たまりの中で、落ち葉に隠れるように潜みほとんど動かない。川内さんによると、幼生は「ヨコエビなどを餌にしている」という。また近くで、一年前にふ化したとみられる体長約五センチのアベサンショウウオも見つかった。

 ただ一帯では一月上旬の調査で、卵のうが三十対見つかっていた割に幼生の数は少なく、川内さんは「十年間調査してきたが、こんなに幼生が少ないのは初めて。今年は雪解け水が少ないので六、七月の変態期まで水が枯れないかも心配」と話していた。

 アベサンショウウオは環境省のレッドデータブックで最高ランクの絶滅危惧種1A類に指定され、生息地は全国でも兵庫県北部から石川県南部までの極めて狭い地域に限られる。

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