パナソニック森田工場=9日、福井市定正町

 パナソニック森田工場(福井市)に勤めていた、2次下請け会社「アイエヌジー」契約社員の男性が過労死と労災認定された。遺族代理人の海道宏実弁護士によると、同工場にはパナソニックをはじめ同社の子会社、アイエヌジーなど複数の下請け会社と、さまざまな所属、雇用形態の人が働いている。アイエヌジーに発注していた1次下請け会社元社員で、森田工場で勤務経験もある20代男性は「忙しくなっても、なかなか従業員を確保できない感じだった。人手不足を早出や残業で穴埋めする雰囲気があり、交代制でも時間外労働が当たり前になっていた」と打ち明ける。

 男性は、別の工場で勤務していた時「上司から、あらかじめ1カ月で60時間程度の時間外労働を求められたり、有給休暇分を残業するよう求められたりした」と話す。通常は「4勤2休」「5勤1休」のシフトが、「6勤1休」の時期もあったという。「稼働率が悪いと、『発注元から苦情が来る』と半ばおどされて残業した。現場の状況は見向きもされず、(有期雇用などで)立場が弱いとなおさら断りづらい」。森田工場でも同様の状況ではないかと指摘する。

 いつか過労で倒れたり、自殺したりする人が出ると思っていたという男性は「下請けとはいえ、社員を守るのは会社の責任。発注元の意向だけでなく、現場の叫びに耳を傾けてほしい」と訴えた。

 9日午後5時ごろ、勤務を終えた森田工場の従業員は「何も知りません」「残業はしたことがない」と言葉少なに立ち去った。

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