高浜町宮崎の永福寺所蔵で、町郷土資料館が管理する県指定文化財の「刺繍種字両界曼荼羅図(ししゅうしゅじりょうかいまんだらず)」の修復作業が完了した。

 種字両界曼荼羅図は南北朝時代のもので縦一○一・七センチ、横三四・四センチ。二○○○年に県指定を受けた。

 両界曼荼羅図は胎蔵、金剛の両界が一幅ずつに描かれた二幅一対のものが大半だが、同寺のものは一幅に両界がともに描かれている。諸尊を表す種字=梵(ぼん)字=は人間の毛髪を使う「髪繍(はっしゅう)」と呼ばれる手法で刺繍している。全国的にも作例が少なく、貴重な文化財。

 色落ちや破損で傷みが激しかったため、住友財団の補助と檀家(だんか)の寄付で昨年五月から修復作業に入った。文化財の修復を数多く手掛ける京都市の業者が請け負い、クリーニングで汚れを除去した後、欠失部分を特殊な絹糸で補うなどの作業を行った。

 種字両界曼荼羅図は通常一般公開はしておらず、同資料館の収蔵庫で保管している。○五年十月に同資料館で開かれた町村合併五十周年記念展での公開が最後。