福井県と17市町の懲戒処分の公表対象

 福井県内の自治体が職員への重大な懲戒処分を公表していなかったことが相次ぎ発覚した問題で、福井県と七つの市町が公表の判断基準自体を設けていないことが6日、福井新聞の調べで分かった。全国では43の都道府県が国の人事院指針よりさらに厳しい基準を設け、原則全ての懲戒処分を公表するとしている。識者は「基準がなければ、公表は役所の恣意(しい)的な判断に委ねられ、隠蔽(いんぺい)体質につながる」と指摘している。

 公表基準がない県内の自治体は、福井県と福井市、あわら市、永平寺町、南越前町、若狭町、おおい町、高浜町の1県2市5町。国の人事院は各省庁に対して「職務に関する全ての懲戒処分を公表、職務外の場合は停職以上を公表する」という指針を示している。

 基準を定めていない自治体のうち、「事案ごとに個別に判断する」としているあわら市では、2015年に職員が減給10分の1(6カ月)の懲戒処分を受けたなど、人事院指針では公表に該当する事案を「重大性がない」などとして公表していなかった。また「人事院指針を念頭に判断する」とする福井市では、人事院指針では公表に該当する事案を「職員のプライバシーにかかわる」などとして、処分自体を非公表としたケースが16年に4件あった。

 情報公開に詳しい獨協大法科大学院の右崎正博教授(憲法、情報法)は「基準を定めない自治体は内向き。被害者のプライバシーを侵害する恐れがあれば、個人が特定されないように注意すべきだが、透明な行政のためには早急に基準を明文化し、守るべきだ」と指摘している。

 福井県内で公表基準を定める福井県教委、福井県警と10市町のうち、基準を人事院指針と同じにしているのは坂井市、大野市、越前市、敦賀市、小浜市、美浜町の5市1町。職務行為での懲戒事例は「全て公表」、私的行為では「停職以上」としている。人事院指針より厳しいのは勝山市、鯖江市、越前町、池田町の2市2町。県教委は職務行為、私的行為ともに「減給以上」を公表としている。

 ただ基準があっても基準通りの運用がされていない実態も、福井新聞の情報公開請求で明らかになっており、右崎教授は「納税者の立場として到底納得できるものではない」と批判している。

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