台風通過後に気温が上がったメカニズム(イメージ)

 本州に上陸後、西日本を東から西に進む異例のコースをたどった台風12号が、福井県嶺北北部を中心に観測史上最も暑い一日をもたらした。台風には反時計回りに強い風が吹き込むため、通常のコースで東に進むと通過後に乾いた北風が吹く。今回は、県内付近を通過後も南の海上から暖かく湿った空気が流れ込み続けた。岐阜県境の山地を越えてフェーン現象を発生させ、福井県坂井市などに乾いた熱風を吹き下ろした。

 フェーン現象では、湿った空気が斜面を上るにつれ冷やされ、水蒸気が水の粒となって雲が発生し雨が降る。山地の頂上に達した後、空気は乾燥した状態で気温を上げながら斜面を下っていく。湿った空気に比べ、乾いた空気の方が温度変化が大きいため、山地を挟んで風上より風下の気温が高くなる。

 福井地方気象台によると、7月29日の県内はフェーン現象の影響でやや強い風が吹き、坂井市三国町と同市春江町の最大風速は10・4メートルを記録。「風の向きや強さで坂井市などが特に影響を受けて、気温が大幅に上昇したのではないか」と説明した。連日の猛暑で夜間も気温が高いままの状態が続いていたことも要因に挙げた。

 フェーン現象は新潟県でも発生し、上越市や三条市で観測史上最高の39・5度を記録。全国でこの日一番の暑さとなった。

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