午後8時を前に帰り支度をする職員=1月、福井県大野市の大野市役所

 長時間労働の是正など「働き方改革」が叫ばれる中、福井県大野市は1月から一部の部署で「8時だよ!全員退庁」と銘打った取り組みを進めている。仕事の効率化を図るとともに、退庁時刻の目標を午後8時に設定。職員からは「職場の雰囲気が変わった」「家族と過ごせる時間が増えた」との声が聞かれる。

 取り組んでいるのは企画財政課、商工観光振興課、湧水再生対策室、道の駅推進室に所属する計約40人。いずれも比較的残業が多くなりがちな部署だ。

 8時までに退庁するよう管理職が促し、やむを得ず8時以降も残業する職員には夕方の終礼時に理由や帰宅予定時間を申告させている。

 企画財政課では8時前になると、帰り支度を始める職員が増える。「業務の棚卸しをして、時間短縮できた部分もある。早く帰ろうとするのはよく考えたら当たり前のこと」。加藤洋美企画主査(48)は話す。

 道の駅推進室の田中治樹主査(35)は「今は繁忙期でないということもあるが、8時までに帰れている。5歳の子どもとご飯を食べたりお風呂に入ったりできる日が増えた」と喜ぶ。

 一方「時間を意識してはいても、現実的に難しい」との声も。企画財政課結の故郷(ゆいのくに)推進室の吉田克弥室長(49)は「8時退庁の目標があることで職員が精神的にきつくならないよう目配りしないと」と指摘する。

 1月以降毎月、8時以降に残っていた人数や時間数を取りまとめて効果や課題を検証していく。3月まで試行的に続け、4月から全庁に広げることを目標としている。

 提案者の今洋佑副市長は「会議や決裁、国や県とのやりとりなど、軽減・廃止できるものがあるはず。市民サービスを低下させることなく、やるべきことを見極める必要がある」と強調。職員の意識は変わりつつあるといい、「心身両面の健康増進や、地域活動への積極的な参加につながれば」と期待を込めている。

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