子宮体がんの治療効果の判定法について説明する吉田好雄教授=30日、福井県永平寺町の福井大学松岡キャンパス

 福井大学は30日、子宮体がん(子宮内膜がん)の治療効果を画像で判定することに成功したと発表した。従来は子宮内膜をかき出し判定し、その後は一時ホルモン治療を中断する必要があった。同大は「画像判定によって患者の負担が減る上、治療を休まずできるので再発率を下げる可能性がある」としている。

 子宮体がんの約8割は、女性ホルモンの一つで、婦人科がんを増殖させる働きがあるとされるエストロゲンが原因で発症。出産経験がない場合などに発症のリスクが高まる。国内の患者は約1万4千人で、晩婚化による少子化の影響や食の欧米化などで20年前に比べて約4倍増えているという。

 子宮を温存する治療法としては、エストロゲンの影響で発生した早期がん細胞を減らす「黄体ホルモン療法」があり、治療効果を測定するには、麻酔をして子宮内膜をかき出す全面掻把(そうは)を定期的に複数回行う必要があった。ただ全面掻把後1週間は同療法ができず、再発を招く可能性があるとされている。

 同大は、エストロゲンと結合する受容体に集まる放射性薬剤を患者の体内に投与して陽電子放射断層撮影装置(PET)で撮影し、受容体の量を把握することに成功。その量が減っていれば、治療効果を認めることができる。

 同大産科婦人科学分野の吉田好雄教授は同日会見し「患者の負担を減らせるだけでなく、治療を継続することで再発率を下げる可能性がある」と指摘した上で「子宮温存の可否をより正確に判断できるため、妊娠を希望する女性にとって、この診断法の役割は大きい」と述べた。

 会見には、この診断を受け、23日に女児を出産した福井出身の女性(29)も同席。「諦めずに治療を続けてきて良かった。子どもは3人欲しい」と話していた。

 同大は2011年、同じ放射性薬剤を使い、PETで子宮筋腫と悪性度の高い子宮肉腫を高い確率で見分ける手法を開発。画像診断できるのは世界で初めてで、米国核医学学会では「腫瘍診断部門」の最高賞に選ばれている。

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