節分の縁起物として製造・販売されている小判形のお菓子=30日、福井県小浜市内の菓子店

 2月3日の節分を前に福井県小浜市内の菓子店やスーパーで、楕円形の小判に見立てた焼き菓子が並んでいる。同市内の一部の地域で「一生お金に困らないように」との願いを込め、神棚に飾って食べる縁起物だという。

 市食文化館の一矢典子学芸員によると、升に入れた豆とともに神棚に飾るのが習わしで、市内の旧市街地などで残っている。いつ始まったかといった起源は不明だが、数軒の菓子店が現在も製造している。

 そのうち大正期の創業時から作っているという竹原製菓舗=同市大原=は、「福小判」の商品名でスーパーなどに卸している。砂糖と水あめなどを混ぜたものに小麦粉を入れて生地を作り、延ばして小判形の型に入れて焼き上げる。製法は創業時からほとんど変わらず、程よい歯応えと、ほんのり甘い素朴な味が特徴。1袋85グラム入りで税別200円。県外在住の地元出身者からも注文があり、今季も昨年末から数千袋分を作ったという。

 旧市街地で生まれ育ち、既に小判菓子を購入したという女性(68)は「小浜独特の風習だとは知らなかった」と漏らしつつ「今年も3日にお供えする予定。東京の娘に送ってやると、懐かしい味だと喜んでいた」と話していた。

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