「にぽにか」の巻頭で紙と日本文化について紹介した杉原吉直社長。7種類の言語で計20万部が発行された=福井県越前市不老町の杉原商店

 外務省が7種類の言語で計20万部発行している海外向け広報誌で昨年、和紙が特集された。巻頭で杉原商店(福井県越前市不老町)の杉原吉直社長が紙と日本文化について紹介するなど、越前和紙の関係者が“出演”している。

 広報誌は、対日理解促進を目的に外務省が年3号発行している「にぽにか(niponica)」。英語、フランス語、スペイン語、アラビア語、中国語、ロシア語、日本語版があり、大使館などの在外公館が置かれている約150カ国で、学校などの教育機関や各施設に定期配布されている。

 昨年発行された18号は「技術と伝統を今につなぐ日本の紙」を特集。杉原社長は、その巻頭2ページで和紙の歴史や日本文化との関係、暮らしの中でどのように使われてきたかなどを紹介している。約1年前、外務省が製作を委託した出版社の取材を受けたという。

 巻頭の記事は和紙全般をテーマにしているが、越前(和紙)については代表的な産地の一つとして挙げられており「武家の公文書用の高級紙をつくっていた」と説明。記事を締めくくる一文には「福井県には世界で唯一の紙の神を祭った神社さえあり、職人たちは神に守られていることをよりどころに和紙づくりを続けています」とあり、越前和紙の存在を強く印象づけている。

 巻頭以外でも、越前和紙の産地で100年近く紙漉(す)きの道具を作り続けている吉田屋指物(越前市岩本町)について、写真付きの記事で紹介。また、越前市の人間国宝、岩野市兵衛さんの和紙との出合いにより制作に対する姿勢が変わったという著名グラフィティアーティストも紹介されている。

 和紙に関し講演や寄稿の依頼を受けることも多い杉原社長は、巻頭の記事について「和紙のことを全く知らない外国の子どもでも理解できるよう心掛けた。各言語版が作られ、世界中に配布されたのは越前和紙の産地にとっても画期的なことだと思う」と話している。

 にぽにかは、A4判で28ページ。「Web Japanホームページ」(http://web−japan.org/niponica/)で、各言語版を紹介している。

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