日本一短い手紙のコンクール「第24回一筆啓上賞」の大賞を、主催する丸岡文化財団(福井県坂井市)が27日、発表した。「ごめんなさい」をテーマに全国から寄せられた4万4千通以上の中から、千葉県野田市の小学2年佐藤蓮君(7)らの5作品が選ばれた。地元の福井県からは上杉千里さん(坂井市長畝小3年)と大井美羽さん(坂井市三国南小3年)の作品が選ばれた。

 佐藤君は母親に宛てて「『ごめん』って ぼくの口はあかないんだ口に力が入って。手に力を入れて書くよ。ごめん」と、悪いと分かっていても謝れない葛藤を表現した。

 兵庫県川西市の無職久保みつよさん(62)は「やさしかったお父さんへ」と題して「臨終の床、涙のごめんなさいに一瞬甦って私を見つめたね。無言の許しだったと信じます」。東京都江戸川区の主婦高下由紀子さん(50)は「貴方を驚かせようとコツコツ貯めたへそくり。貯まりすぎて一生言えないごめんなさい。」と夫への秘密を打ち明けた。

 上杉さんは「お母さん、ごめんなさい。実は私一番好きなのは、ばぁちゃんなの。」と告白。大井さんは家族へ「いつもわがままでごめんなさい。でも本当の自分はもっとわがまま。」とつづった。

 同賞には、国内外から4万4348点の応募があった。26日の最終選考で大賞5点、秀作10点、住友賞20点、坂井青年会議所賞5点、佳作138点の計178点の入賞作を決めた。福井県内から大賞2点のほか秀作4点、住友賞4点、坂井青年会議所賞5点、佳作13点の計28点が入賞した。

 発表会は坂井市のたかむく古城ホールで開かれ、同市丸岡南中の田中快昇さんら6人が上位40点を朗読した。大賞の講評で詩人佐々木幹郎さんは、上杉さんの手紙を「とてもかわいくて素直」、大井さんの手紙を「女の子らしい作品。本音を素直に言っている」と感想を述べた。シンガー・ソングライターの小室等さんは「大賞にふさわしい作品は5点以外にもあった。選考しながら『ごめんなさい』という気持ちになった」と総評した。

 今回から選考に加わった福井市在住の作家宮下奈都さんは「書いた人の気持ちが直に伝わってきた。泣いたり、笑ったり、選考過程で楽しませてもらった」と話していた。

 丸岡文化財団の担当者は「会えない人へ言いたくても言えないことや、今だから言えることなどいろんな『ごめんなさい』が表現されていた」と話した。

 大賞5点は坂井市の一筆啓上日本一短い手紙の館で2月7日からパネル展示する。入賞者をたたえる顕賞式を4月23日に同市たかむく古城ホールで開く。

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