福井県内の個人番号カード申請状況

 国内に住む全ての人に12桁の番号を割り当て、複数の行政機関が個人情報を管理するマイナンバー制度の導入から1年がたった。福井県内では個人番号を知らせる通知カードのうち、全体の約1%に当たる3千通近くがいまだに本人に受け取られず宙に浮いているとみられている。一方、顔写真入りの個人番号カードの交付を県内で申請した人の割合も6・41%(2016年12月末時点)にとどまり、普及は進んでいない。

 ■通知カード廃棄も

 福井県市町振興課のまとめによると、県内で15年10月に簡易書留による郵送が始まった通知カードは、16年11月末時点で県内全体の29万2287通のうち、7・7%に当たる2万2517通が宛先不明や家人不在のために市町に返送されていた。各市町で死亡や転居を確認したり、再送したりの対応を取ったが、同課は「現時点で市町に保管したままのカードは実質1%程度」あると説明する。

 総務省は市町での保管期限を原則3カ月と示した上で、期限を越えてもできるだけ保管し続けるよう要請している。福井市では計10万通余りを送付、約8300通が戻ってきた。保管期間を6カ月と決め、窓口での受け取りを促す文書を送るなどしても対応のない1700通余りを廃棄した。

 現在も保管したままのカードが約260通ある。市民課の担当者は「何らかの理由で受け取れなかった住民がいつ取りに来るか分からず、むやみに廃棄できない。居住実態などを調べながら慎重に対応するしかない」と頭を悩ませている。

 ■高齢者に照準

 県内で個人番号カードを申請した人の割合を市町別にみると、勝山市が8・38%で最も高く、おおい町8・18%、美浜町8・07%、福井市とあわら市がともに6・65%と続く。最も低いのは越前町で4・99%だった。

 勝山市市民課の担当者は「運転免許の返納者や不所持者らが身分証明書として個人番号カードを利用すると想定し、高齢者にターゲットを絞って対応した」と説明する。高齢者が集まる催しに積極的に出向いて説明会を開き、市役所の窓口を訪れた希望者には市のタブレット端末で写真撮影から申請まで一貫して手助けするサービスを行った。

 福井、あわら、大野市、永平寺町は個人番号カードを使って、全国のコンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書などが受け取れるサービスを行っている。4月からは丹南5市町でも同様のサービスが始まる予定だ。

 鯖江市は個人番号カードの交付申請手続きの利便性を高めようと16年12月に市役所内に証明写真機を設置し、申請時の顔写真を撮影できるようにした。市民窓口課によると、設置後に約50人の申請があり、多くが写真機を利用している。担当者は「2003年に交付を始めた住民基本台帳カードの約7千枚(累計)に比べ、個人番号カードは悪くない数字」と評価。今後は企業や公民館での申請受け付けも検討しているという。

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