【論説】第100回全国高校野球選手権記念福井大会は決勝で敦賀気比が若狭を2-1のサヨナラで破り、3年ぶり8度目の夏の甲子園切符を獲得。若狭は福井県勢初の4強入りを果たした1969年以来、49年ぶりの夏制覇はならなかったが、“古豪復活”を印象づけた。

 今年の福井大会は見どころが多かった。準々決勝で若狭が第4シード啓新を下し、敦賀は第2シード福井商に逆転勝ち。同じくノーシードの敦賀気比と、昨夏覇者の第1シード坂井が勝ち上がって、4強のうち嶺南勢が3校を占めた。これは98年以来20年ぶり。準決勝では若狭が坂井を退け、敦賀気比が敦賀に大勝し、決勝は80年の敦賀―若狭以来、38年ぶりの嶺南対決となった。

 決勝は1点を争う好ゲーム。若狭の先発須賀原投手が四回に打球を当て降板するアクシデントがあったが、継投した高橋、小堂両投手が試合をつくった。特に三つの併殺を成功させた若狭内野陣の堅い守備が光った。相手送りバントをノーバウンドでダイビングキャッチしピンチを救う好プレーもあり、鍛え抜かれた守りが見て取れた。

 均衡を破ったのは敦賀気比。七回に細谷選手の安打をきっかけに走者をため、高橋選手が押し出し四球を選んで先制。粘る若狭は九回、内野安打で出塁した杉山選手が盗塁、敵失で三塁に進み、小林選手の適時打で同点に追いついた。その裏、敦賀気比は四死球で1死満塁とし、阪口選手の犠飛でサヨナラ勝ちした。

 敦賀気比は甲子園への道の険しさを実感させられた戦いだったろう。その中で2年生左腕、木下投手は圧巻だった。切れのある直球と緩い変化球を織り交ぜ7回を2安打に抑えた。マウンド度胸もあり、全国の強豪にも、ものおじせず対決できるのではないか。

 また今大会1回戦の丹生-藤島が初のタイブレークに持ち込まれたのも特筆できる。延長十三回以降は無死一、二塁で攻撃が始まり、藤島が勝利を収めた。今後、各チームは対応を求められるだろう。

 今大会は記録的な猛暑との闘いでもあった。調子を崩す選手もおり、福井県高校野球連盟なども熱中症対策を呼び掛けた。他県では試合開始時間を早め、暑さが厳しい時間帯を避ける措置を取るケースもあった。甲子園でも暑さ対策を十分に行う必要がある。

 2015年春の選抜高校野球大会で敦賀気比が北陸勢初優勝を飾ったのは記憶に新しい。100回の節目となる夏の甲子園でも、あのときの旋風を再び巻き起こしてもらいたい。また今秋の福井国体に福井県代表として出場することも決まり、地元でもたくましいプレーを期待したい。

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