日常の一瞬を切り取った作品が並ぶ「川島小鳥展-境界線で遊ぶ」=21日、福井県あわら市の金津創作の森

 被写体に寄り添い、日常の輝く一瞬をフィルムで切り取る写真家、川島小鳥さん(36)=東京=の展覧会「川島小鳥展—境界線で遊ぶ」(福井新聞社共催)が21日、福井県あわら市の金津創作の森で開幕した。初日から多くの人が足を運び、川島さんのトークとともに、人の生きる喜びを活写した作品世界を堪能した。

 15年の写真活動を網羅した初めての大規模個展で、最新作「ファーストアルバム」までの6冊の写真集からのカットと未収録作品の計300点超を並べる。川島さんが信頼を寄せるデザイナー、祖父江慎さん(57)が展示、構成を手掛けた会場は、遊び心にあふれている。

 新潟・佐渡島の少女の1年に密着した代表作「未来ちゃん」のコーナーは、アイスクリームで口の周りをべたべたにした巨大な顔がお出迎え。台湾の人々を3年がかりで撮影し、木村伊兵衛写真賞を受賞した「明星」のコーナーでは、1枚の写真をA4紙156枚に分割し、モザイク画のように組み合わせたり、下から頭を入れて鑑賞する「明星タワー」を造ったりした。美しいプリントだけでなく、あえてコピー用紙に印刷したり、写真を小さくしてルーペで見せたりする演出には「構えずに写真の世界に参加して遊んでほしい」(祖父江さん)との思いが込められている。

 祖父江さんとのオープニングトークで、川島さんは「全力で生き、喜怒哀楽を隠さない未来ちゃんは僕の師匠。撮影中は未来ちゃんになりたいと思って撮っていた」などと語り、聴衆を沸かせた。

 会場は写真撮影が自由とあって、首から一眼レフをぶら下げたカメラ女子の姿も目立った。3月5日まで(月曜休館)。一般800円、65歳以上400円、高校生以下無料。問い合わせは金津創作の森=電話0776(73)7800。

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