作品を掲げたモデルの男性作家(右)と記念撮影する谷純一さん=米国アリゾナ州(谷さん提供)

 誇張とユーモアを含んだ似顔絵「カリカチュア」アーティストの谷純一さん(37)=福井市=がこのほど、米国アリゾナ州で開かれたカリカチュア世界大会の「カラーテクニック」部門で2位に輝いた。アジア大会で入賞歴はあるものの、世界大会では結果を残せていなかった。脱サラしプロの世界に飛び込んで3年余り。「見守ってくれた家族のおかげ。似顔絵でもっと多くの人を笑顔にしたい」と喜んでいる。

 大会は世界各国から約200人が参加して昨年11月に開かれた。4日間にわたり出場者同士が互いの似顔絵を描き、技能を競う「プロ中のプロを決める戦い」(谷さん)。審査は出場者による投票で、出来栄えや色使い、仕上げるスピードなど13部門ごとに入賞者を決めた。

 谷さんは、犬の絵で有名な米国人男性を犬に見立てて描くなど個性的な7点を仕上げた。いずれも、くしゃくしゃにしたクラフト紙を使用し「西部劇風のさびれたイメージ」を表現した。くすんだ色合いが、カラーテクニック部門で高評価された。

 米国へ向かう飛行機のエンジントラブルで、会場入りは競技開始から10時間後の深夜2時。モデルとなる作家もほとんどが寝ていて丸1日つぶしてしまった。それでも2日目は気持ちを切り替えて臨んだ。谷さんは英語を話せないが、身ぶり手ぶりでコミュニケーションをとり相手の特徴をつかんだ。遅れた分を取り戻そうと、競技終了までの睡眠時間は計6時間ほどだったという。

 前回出場した2013年大会は、建設会社を退職しプロとして挑んだが入賞できなかった。喫茶店などでこっそりスケッチの練習をしながら腕を磨き、“3度目の正直”で目標を達成した。谷さんが次に見据えるのは「世界大会総合部門の入賞」。学生時代の柔道で鍛えた大きな体をかがめながら、繊細にペンを走らせ腕を磨いている。

 ■カリカチュア モデルの性格や外見的特徴を際立たせた人物画。似顔絵、風刺画として知られる。イタリア語で「誇張する」を意味する「カリカーレ」が語源。世界大会は国際カリカチュアアーティスト協会(ISCA)が主催し毎年、米国で開かれている。

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