福井県庁の入り口に設置されている結婚を促す県のポスター。成婚数は目標に届いていない

 結婚を希望している未婚者を後押しし、人口減に歯止めをかけようと、福井県が昨年度から力を入れている結婚応援事業。企業や団体内に「職場の縁結びさん」と呼ばれる担当者を置いてもらうなどさまざまな施策を地道に進めている。ただ県の事業に伴う成婚数は昨年度74組で年間目標100組に届かず、企業や団体の縁結び活動による結婚は今のところゼロ。「価値観を押し付けることはできない」(県の担当者)という難しさもあり、成婚率アップへの“秘策”は打ち出せていない。

 県は2015年5月に、ふるさと県民局を立ち上げ、女性活躍推進課内に「出会い創出支援グループ」を設置。行政として結婚支援に力を入れてきた。

 同年10月に策定した「ふくい創生・人口減少対策戦略」では、西川一誠知事肝いりで1期目から提唱している「迷惑ありがた縁結び」活動を充実させた。「つながりの力で縁結びを『徹底応援』」とうたい▽職場のつながりを生かした縁結びの推進▽学生などを対象にした「結婚学」講座の開催▽カップルで飲食店などを訪れると割引サービス—など、さまざまな施策を打ち出している。

 本年度当初予算には結婚応援関連で約4千万円を計上した。15年7月から始めた「ふくい結婚応援企業」には、企業・団体175社が登録し、施策への賛同者は増えている。

 企業や団体内の「職場の縁結びさん」は社内合コンなどを開いたり、県の結婚支援制度を紹介したりしている。昨年度、職場の縁結びさんが企画した企業間合コンや社内合コンは計25回に上り、男性224人、女性223人が参加した。本年度は昨年12月末現在で計35回の合コンに、男性276人、女性254人が参加したが、結婚には至ったケースはまだないという。

 県女性活躍推進課によると、結婚適齢期者(25〜39歳)の人口は10年が14万3929人。15年は11万8985人で17・5%減少している。県の事業に伴う過去5年間の平均成婚数は76組で、同課の藤丸伸和課長は「人口が減る中で、昨年度の74組の成婚数はほぼ横ばい。取り組みは一定の成果が出ている」と強調する。

 国の「結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会」は昨年末、▽特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えてはいけない▽結婚を希望する人が支援を必要としているとは限らない—などとする提言をまとめた。藤丸課長は、結婚応援には難しい側面があることは事実とした上で「県内の未婚者の8割が結婚を希望している。希望者がいる以上は行政として支援していきたい」と話している。

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