スマホの翻訳アプリを使ってフランス人のツアー客とコミュニケーションを取る従業員(中央)=21日夜、福井県小浜市阿納

 福井県小浜市内の民宿がインバウンド(訪日外国人客)の受け入れ意識を高めようと、さまざまな取り組みに力を入れている。21、22の両日には在日フランス人をモニターツアーに招き、スマートフォンの翻訳機能を使いながらコミュニケーションを取ろうと奮闘した。若狭ふぐをはじめとした料理は好評だったが、生活習慣の違いを理解してもらうなど、細かい工夫が必要との課題も見つかった。

 インバウンド対策は若狭小浜民宿推進協議会が企画。昨年9月にあった在日台湾人一行モニターツアーでは、言葉の“壁”を指摘する声があり、翻訳アプリケーションを活用するよう提案も受けた。そこで同協議会は今月中旬から、民宿経営者らを対象にスマホなどで使う翻訳アプリの使い方を学ぶ講座をスタートさせた。

 今回のツアーには、在日歴1年半〜30年の日本文化を紹介する雑誌記者(東京)や旅行会社の社員(京都)ら4人が参加。市内観光では、若狭塗箸の箸研ぎや明通寺の拝観なども体験。スィジェティ・ピエールさん(61)=京都市=は「楽しかったし、素晴らしい場所が多かった」と満足した様子だった。

 民宿では、フグのてっさや若狭かきなどの料理が出された。食べる参加者の横で、スマホを持った従業員が「お味はいかがですか」と日本語で音声入力。表示された仏語を読んだ参加者が同様に言葉を発すると「とてもいいです」との日本語が出てきた。翻訳ソフト活用はひとまず成功だった。

 一方で、ピエールさんは「例えばスリッパを畳部屋の前で脱いだり、トイレで履き替えたりする習慣を知っているフランス人は少ない。説明があると良い」と指摘した。そのほか、「デザートは必ず出して」や「お風呂は1人で入るため、グループの場合、時間設定が必要」などといった意見もあったという。

 民宿経営者で同協議会の河原佳都雄会長(64)は「インバウンドを増やしていくにはスリッパの使い方が分かる絵を掲示するなど、普段気付かなかった細かい配慮が必要になってくる」と話していた。協議会では今後、外国人客の予約サイトの立ち上げなども進めていくとしている。

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