関西電力高浜原発2号機の燃料取り扱い建屋(左)を直撃し、アームが折れ曲がった大型クレーン。後方は原子炉建屋=21日午前10時半ごろ、福井県高浜町の同原発

 暴風警報発令中の20日夜、中央制御室内に「ドーン」という大きな音が響いたという。福井県の関西電力高浜原発で起きたクレーン倒壊現場では、鋼製のアーム部分がぐにゃりと曲がり、建屋の屋根の上に横たわっていた。放射性物質漏れや人身事故にもつながりかねなかった事態に対し、関電は一夜明けた21日の記者会見で「詳しく解析しないと原因は特定できない」との説明を繰り返した。

 同日午前11時すぎ、高浜原発構内であった記者会見は、高島昌和・高浜発電所運営統括長らが「このような事象を発生させ、深くおわび申し上げます」と頭を下げてから始まった。関電によると日中の作業を終えたクレーンは通常、アーム先端から垂らしたワイヤに重りを付けて接地させ安定した状態にする。強風で倒れる恐れがある場合や年末年始などの長期休業時は、アームを折りたたんだり一部解体したりして、より安全な策を取るという。

 クレーンは総重量270トンで、5トンの重りで安定させていたが、現場ではクレーンが傾き、キャタピラの片方は数十センチ浮いた不安定な状態になっていた。

 原発構内2カ所にある風速計の数値は事故当時14〜15メートル。5トンの重りで風速42メートルの強風に耐えられる評価基準に基づき、高島統括長らは「(通常の安定させる方法で)問題ないと判断した」と言い切った。ただ「いつ、だれの判断か」との問いには言及を避けた。クレーンの構造や強度といったハード面や、アームの組み立ての状況など人為的要因ともに否定できないとし、「原因を究明し、二度と繰り返さないようにしたい」との説明に終始した。

 運転延長に向けた安全対策工事再開の見通しは「原因が分かり対策ができた状態になれば再開するが、現時点では見通しは立っていない」とした。

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