絶滅危惧種のオオアカウキクサで覆われた水田=福井市中荒井町

 コメの有機栽培に取り組む福井市中荒井町の中川英男さん(62)の水田でこのほど、県域絶滅危惧1類に指定されている植物「オオアカウキクサ」の繁殖が確認された。県自然環境課は「農薬を使わず、冬水田んぼに取り組むなど生育環境の条件がそろい、希少種がよみがえったのではないか」としている。

 同課によると、オオアカウキクサは水生シダ植物の一種。浮遊性の水草で水田や池などに生育する。湿田の乾田化や除草剤の利用などによって近年急激に減少し、県内では敦賀市の中池見湿地などで確認されているという。環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧1B類に指定されている。

 中川さんは、父親の代を含めて30年近くコメの有機栽培に取り組んでおり、田んぼに水を張る冬季湛水は10年以上前から実施している。今シーズンは昨年11月中旬に水を張り始め、12月上旬に田んぼの隅でオオアカウキクサを発見。見慣れないウキクサだったことから福井市自然史博物館に持ち込んだ。

 外来種のオオアカウキクサの仲間と形状が似ているが、同博物館は「根毛や葉の表面の特徴などから、在来種と考えられる。豊かな自然環境が残っている証拠」としている。

 現在、水を張った田んぼの一部が真っ赤なウキクサで覆われている。中川さんは「急に発生して驚いたが、自然環境が再生されていると思うとうれしい。有機栽培に長年取り組んできたかいがあった」と話していた。

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