祠の前で手を合わせる女性。恋愛のパワースポットとして静かな人気だ=福井市東大味町の明智神社

 福井市東大味町の明智神社が、恋愛のパワースポットとして静かな人気となっている。山あいの集落にぽつんと建つ小さな祠(ほこら)だが、ネットで取り上げられたのをきっかけにうわさが広まったという。「本当に願いがかなった」との声もあり、恋の成就を願う若者たちの姿が見られている。

 明智神社には、戦国武将の明智光秀が祭られている。かつて光秀は東大味町一帯を戦禍から救ったとされ、恩義を感じた住民によって木像が祭られ約400年間、守られてきた。

 1993年に奉賛会が組織され、毎年6月13日の命日には「あけっつぁま(明智様)まつり」として供養を行っている。2003年には同市都市景観重要建築物に指定された。

 境内にある記帳ノートには、福井県外の住所も書かれている。5年ほど前から光秀の歴史的再評価や戦国時代ブームの影響で参拝者が増え、週末や行楽シーズンには団体客の姿も見られる。奉賛会元会長で上文殊歴史研究会会員の藤澤由勝さん(58)は「恋の力があることには驚いた。境内には資料館もあるので、これを機会に若い人にも光秀のことをよく知ってもらいたい」と話す。

 パワースポットとして広まったきっかけは女性向けのインターネット情報サイト。東京の気功師が、境内に強力な「モテ気」が流れていると紹介した。テレビ番組でも放送され、恋愛に敏感な女性たちに広まっていったらしい。

 戦国武将を祭る神社が縁結びに関わっているのは不思議だが、藤澤さんは「何人もの側室を持つことが普通の時代に、光秀は純愛を守った。愛妻家だったことが関係しているのでは」と推測している。

 「明智様のおかげで幸せになりました」と効果を語るのは福井市の山口理沙さん(25)。昨年5月、恋愛成就を願い県外の友人と同神社を参拝。その後、友人はクリスマスに知人の男性から告白を受けると、山口さんも彼氏との縁談がまとまり、今年5月に挙式するという。「ちょっとびっくり。力は本物かも」(山口さん)

 ただ2010年の国勢調査によると、上文殊地区の未婚率は福井市全48地区のうち26番目と微妙な数字。上文殊公民館の山本美恵子主事は「あけっつぁま、次は地区の少子化を救ってください」と笑った。

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