運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転延長を巡り、原子力規制委員会の審査対応をしていた同社課長職の男性が過労自殺した問題で、福井労働局敦賀労働基準監督署が関電の岩根茂樹社長を出頭させ、全管理職の労働時間を適切に把握するよう求める指導票を交付していたことが15日分かった。関係者が明らかにした。

 労働基準法上の「管理監督者」は労働時間の制限を受けず、残業代の支給対象外で、労務管理がおろそかになりがちだとされる。一般労働者でなく、管理職の勤務実態の調査を求めるのは極めて異例。大企業のトップに長時間労働見直しを直接要請した形で「働き方改革」を進める厚労省の強い姿勢が示された。

 福井労働局で6日、手渡した。関電は過去2年にさかのぼり全管理職の労働時間や持ち帰り残業時間を調べ、労基署に報告する。同社は「指導を真摯(しんし)に受け止め、引き続き適正な労働時間管理に努めたい」としている。

 男性は40代で管理監督者に当たるとされ、昨年4月に自殺。1カ月の時間外労働が最大約200時間に及んだこともあり、10月に過労自殺として労災認定された。

 関電に是正勧告の対象となる法律違反はなかった。ただ会社側は管理職であっても深夜割増賃金を支払い、健康面に配慮し、労働時間を適切に管理する義務がある。男性は持ち帰り残業をしていたとみられるが、労基署はこれまでの調査で正確な時間を確認できず、指導が必要と判断した。

 高浜1、2号機は昨年7月までに審査を終えなければ廃炉濃厚で、男性は月100時間を超える繁忙状態が続いていた。

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