いてつくような風の中、運河に飛び込み綱を引く男衆=15日、福井県美浜町日向

 福井県美浜町日向に約380年前から伝わるとされる国の選択無形民俗文化財「水中綱引き」が15日、同区の運河で開かれた。身を切るような極寒の中、男衆が運河に飛び込んで長綱を豪快にちぎり、今年の豊漁と無病息災を祈った。

 区民が早朝に編み上げた太さ約30センチのわらの大綱を、日向湖と若狭湾を結ぶ運河に渡した。この日は「20年以上見てきた中で一番過酷」(志賀繁男区長)というほど、冷たい風が吹き荒れる中、色とりどりの鉢巻きに白いパンツ姿の20〜40代の25人が登場。橋の欄干から次々と飛び込み、東西に分かれて大綱をむしった。顔をしかめて体を赤くしながら綱と格闘し、5分ほどでちぎった。

 日向青年会の永井雄会長(30)は「水があまりに冷たくて体が痛くて大変だった。長引かせないようにみんなで協力し、早めにちぎれてよかった。区民が最も気合が入る行事なので、今後も守っていきたい」と話していた。

 水中綱引きは1635年に小浜藩主・酒井忠勝が運河を開削し、その完成を祝って始まったとされる。舟の往来を妨げる大蛇が現れた際、大蛇より大きい綱を張って追い払った故事に基づくという説もある。

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