認知機能検査の結果を待つ高齢ドライバーたち=6月、福井県運転者教育センター

 県警は18年4月から、高齢ドライバーの運転免許に関する相談体制の充実を図ろうと、県内2カ所の県運転者教育センターに、看護師資格を持つ非常勤職員を配置。坂井市のセンターでは、浦井和恵さん(60)が医療の専門知識を生かし相談に乗っている。

 認知症の恐れがある人には、医療機関の受診や運転免許の自主返納などを勧めるが「その人なりに運転しなけらばいけない理由がある。軽々に返納してとは言えない」。運転できなくなって困ることを本人から根気よく聞き出し、必要に応じて包括支援センターなどを紹介する。家族とも連絡を取り、免許返納後の協力をお願いする。

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 松宮あさ子さん(83)=福井市=は18年3月、家族に自らすすんで運転免許を返納する事を伝えた。「認知症や病気になってからでは遅い」と思うからだ。体が元気なうちに車を運転しない生活に慣れる。そのため、外出する前日は「何時のバスに乗って、どこどこで乗り換える」などとシミュレーションしなければならないが「頭を使うのでボケ防止にいい」と笑みを浮かべる。

 賛同した家族は、バスの時刻表や乗り換えの手順などをまとめたノートを作ってくれた。「家族の助けがあるからこそ車がなくても生活できる。助けがなかったら返納なんてできない」と感謝する。

 浦井さんは、自主返納による生活の急変を防ぐために「この年齢になったら返納するというように時期を決め、徐々に公共交通機関を利用する生活スタイルに変えていくのがいいのではないか」と呼び掛けている。

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