煙のように舞い上がるスギの花粉

 毎年春、国民の3人に1人を悩ませるといわれるスギ花粉症。今年の北陸地方の飛散開始時期は2月下旬で、福井県内の飛散量は昨年の3倍ほどとみられている。昨年は症状が出なかった人や比較的楽だった人も、油断せずに十分対策を取る必要がありそうだ。

 スギ花粉症は主に鼻水、涙、せき、くしゃみ、目のかゆみなどの症状が出る。思考力の低下や睡眠障害、イライラ感や疲労感の増大を引き起こし、日常生活に影響を及ぼすケースもある。

 昨年12月にウェザーニューズ社が発表した今年のスギ花粉の飛散予測情報によると、県内は平年比1・41倍、昨年比では3・28倍。

 福井大医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の坂下雅文助教はまず予防で心掛けることとして▽外出時は眼鏡やサングラスを着ける▽上着を皆が集う居間などに持ち込まない▽洗濯物は外に干さない−などを挙げる。

 治療としては、抗ヒスタミン剤の内服を中心とした対症療法と根本治療がある。症状を和らげる抗ヒスタミン剤は効果別に多くの種類があり、飛散時期の少し前から飲み始める「初期療法」が効果的。坂下助教はバレンタインデー(2月14日)辺りがよいとする。ただ、薬によって眠気が出る副作用があり、車の運転などには注意が必要だ。

 根本治療には、アレルギーの原因物質を少量取り込みながら、徐々に体に慣れさせて過剰な免疫反応を抑える「舌下免疫療法」がある。12歳以上が対象で、エキスを毎日1回舌に垂らし、一定の時間がたってから飲み込む。治療期間は3年程度で、長期にわたって症状が抑えられる。治療費は抗ヒスタミン剤と同等。ただし、同療法は飛散のない5〜12月の開始が原則だ。同大医学部附属病院(永平寺町)では7〜8割の患者に効果があったという。

 坂下助教は「抗ヒスタミン剤は眠気の副作用が少ないものが出てきている。かかりつけ医や専門医に相談し、ライフスタイルに合った治療を受けてほしい」と話している。

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