毎日の天気を記録し表や折れ線グラフでまとめた「歴年お天気表」

60年余りの地元の天気をまとめた「歴年お天気表」を手にする山口さん=福井県南越前町

 福井県南越前町湯尾の男性が、地元の天気を60年余り書き続けたものを一冊にまとめた「歴年お天気表」を作成した。日記と同時期に始めた天気記録は2万3千日分を超えており、年、月ごとの晴れや雨の日数を集計したり、折れ線グラフにしたりと工夫。男性は「お天気表を読むと地元の天気の歴史とともに、自身の半生が鮮やかによみがえってくる」と話していた。

 この男性は山口多津男さん(77)。中学2年生の4月、担任の先生の勧めで日記を始めた。「せっかくなら天気も」と、半年ほど後から快晴、晴れ、曇り、雨、雪の5種類のマークも書き記していった。

 成人後は出張や旅行でもメモを携帯して日記を書き、天気は家族や近所に聞くなどして湯尾の様子を記録。“休んだ”のは高校受験前の2、3カ月のみで、毎日書いていくほど「これだけ続くとやめられない」と思った。「忙しくて帰りが夜中になる日でも、日記を書く時間は惜しくなかった」と話す。

 天気だけをまとめようと思ったのは2年半ほど前。半世紀以上に及ぶ日記の内容を一冊にしようと考えたとき、天気なら「端的で分かりやすい」と思い付いた。保管していた日記の1953年2月からの天気や雲量、積雪量を基に約1年かけて表を作り、2015年10月に出来上がった。

 完成してみると「晴れや雨の日数が分かると面白いのでは」と好奇心がうずいた。作成した表を基に、年、月ごとの天気の日数を集計。その作業を終えると「一目で分かる方法はないか」と、年ごとの数値を示す折れ線グラフにも取り組み、昨年秋ごろに完成した。

 「歴年お天気表」の記録を見ると、山口さんの脳裏には過去の思い出がありありとよみがえってくる。三八豪雪のあった1963年、お天気表によると1月下旬に360センチの積雪があった。

 山口さんは当時、旧今庄町職員として勤務。「ブルドーザーで除雪しても3、4時間後には車が動かないほど雪が積もった。支援に来てくれた九州出身の自衛隊員が雪の多さに驚いていた」。日記も併せるとさらに鮮やかな記憶が思い起こされる。

 「お天気表や日記を見ると走馬灯のように当時を思い出す。これからも字を書ける間は続けたい」と穏やかな笑顔で話している。

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