民法で成人年齢が18歳になる場合の主な議論項目

 9日は成人の日。成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる民法改正案が、20日召集の通常国会に提出される方向になっている。早ければ2020年にも導入される見込みで、明治以来続く大人の定義が変わり、身近な暮らしにも影響しそうだ。成人年齢に関係する規定のある法律は約200。個別に議論されるが課題もさまざまで、進み具合には差がある。主な状況をまとめた。

 ■飲酒、たばこは慎重

 「健全育成に支障が出る」など見直しには慎重な意見が多く、20歳が維持される公算が大きい。

 日本医師会は健康被害が拡大する恐れがあるとして反対を表明。飲酒開始年齢が低いほどアルコール依存症になる確率が高いことなどを指摘している。

 ■公営ギャンブルは

 競艇や競輪、競馬などの公営ギャンブルの禁止年齢引き下げには、教育関係者など世論の反発も予想され、慎重論が根強い。競馬法を所管する農林水産省の担当者は「公営競技全体が横並びで結論を出すことになるのではないか」と話す。

 ■消費者被害に懸念

 18歳から保護者の同意なく契約を結べるようになり、消費者被害が拡大するとの指摘が多い。内閣府消費者委員会のワーキンググループの会合では、「消費者契約法や特定商取引法で、若年成人(18〜22歳)を保護する制度の整備が必要」などの声が上がった。

 ■刑事手続きどうなる

 少年法適用年齢を引き下げると、18、19歳は成人と同じ刑事手続きになる。

 法務省勉強会が12月にまとめた報告書は賛否が割れた。20歳維持の意見では「現行制度は少年の立ち直りに有効」「18、19歳が少年院送致や保護観察の対象から外れて再犯が増える」、18歳引き下げの意見では「犯罪抑止につながる」「大人として扱われる年齢は、選挙権年齢などと一致する方が分かりやすい」などがある。

 ■晩婚化変わるか?

 現在の民法の規定では女性が16歳、男性が18歳になれば未成年でも保護者の同意があれば結婚できる(婚姻適齢)。男女で差があるのは、女性の方が心身の発達が早いとの考え方などがあったためとされる。成人年齢の引き下げに伴い、婚姻適齢は男女とも18歳に統一される見通し。

 2014年の人口動態統計で福井県内の初婚平均年齢は男性30・2歳、女性28・6歳。04年に比べて約1歳上がった。14年に10代で初婚した人は男性35人、女性79人だった。

 ■政治家若返る?

 選挙に立候補できる被選挙権の年齢は公職選挙法などで定められている。衆院議員、都道府県議会議員、市区町村の首長・議員がいずれも満25歳以上、参院議員と都道府県知事はともに満30歳以上。2016年7月の参院選で立候補者の平均年齢は52・1歳、14年12月の衆院選は52・2歳、15年4月の福井県議選は61・07歳だった。

 主要政党はいずれも被選挙権年齢の引き下げを検討している。

 ■独自で裁判も

 民事訴訟法で未成年者は訴訟能力がないとされ、原則単独では訴訟を起こせない。いじめに遭った高校生が、校長らに損害賠償を求めた事例では両親を法定代理人としていた。成人年齢が引き下げられれば、18歳から自分だけで訴訟を起こせるようになる。

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