対戦した川崎文義名人(前列左から3人目)と三好輝明八段(同2人目)を囲み、激闘をたたえる福井渚会の会員ら=7日、滋賀県大津市の近江神宮勧学館

 競技かるたの日本一を決める第63期名人位決定戦は7日、大津市の近江神宮勧学館で行われ、福井渚会の川崎文義名人(28)=福井県越前市=が、挑戦者で同じく福井渚会の三好輝明八段(33)=同市=に3−0で勝利。県勢対決を制し、初防衛を果たした。

 「かるた王国福井の強さと、福井渚会ならではの『攻めがるた』を全国に発信することができた」。かるたの“聖地”とされる近江神宮で名人位を争った川崎名人と三好八段は試合後、そろって胸を張った。2人が真っ向からぶつかり合った熱戦は、「王国」のレベルの高さと強さを改めて全国に知らしめた。漫画「ちはやふる」で福井を知って詰め掛けたファンも「すごい」とうなった。

 福井渚会の特徴とされる「攻めがるた」は、敵陣の札を取ってリズムに乗り、さらに攻めたて流れをつかむ戦術。2人は初戦からがっぷり四つに組んで激しい攻めの応酬を繰り広げた。

 「今日はとにかく2人とも速かった」と太鼓判を押すのは、福井渚会の山崎みゆき会長。普段から2人の試合は見慣れているが、この日の動きは一層速く映ったといい、「最高峰の名人位戦を福井渚会同士で争うことができ大変光栄」と話す。同会の栗原績前会長は「この2人は、これからも名人位戦で名勝負を繰り広げてくれるのでは」と期待を寄せた。

 福井県勢のかるたはファンの心も一気につかんだ。約70人の観覧席に加え、大型モニターで試合を中継する約100人収容の解説室は満員で、キャンセル待ちの長い行列ができた。

 大阪府枚方市から訪れた浜口博子さん(31)は、競技かるたが題材で福井ゆかりの人物が登場する漫画「ちはやふる」の愛読者。「漫画で福井はかるたが強いというイメージが浸透している。強い福井の選手同士が名人位を争うと知り観戦を申し込んだ」という。京都市の清水茜さん(27)も、ちはやふるファン。生の試合を見るのは初めてで「札を取るあまりの速さに驚いた」と興奮さめやらぬ様子だった。

 全日本かるた協会の松川英夫会長は「強い選手を多く輩出してきた福井という名門だから実現した同会対決。来年も福井渚会同士の対決は十分あり得る」と話した。初防衛を果たした川崎名人も「これからも名人位戦を福井勢の対決で盛り立てていきたい」と力強く宣言した。

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