チヌ=2016年、越前海岸

 毎年、水温む3月中旬になると心がウキウキします。釣りシーズンが始まるからです。

 まず狙うのはチヌ(黒ダイ)。チヌは海水温の上昇とともに産卵のため沖の深場から浅場に集団で移動してきます。

 「乗っ込み」といわれ、どの釣り場でも釣りやすく大型や数釣りができるから人気があります。抱卵した白っぽいチヌが釣れだしたら本番突入です。

 チヌは雑食性だから釣り方はいろいろありますが、ここではウキ釣りを紹介します。

 ウキは円すい型と棒型があり、棒ウキは穏やかな所や防波堤、港湾向き。円すいは波気がある所や潮流が速い場所向きだと思います。竿(さお)は磯竿1号前後。

 道糸2〜2.5号。ハリス1.5号〜2。ハリ2〜5号。エサはオキアミ、エビ類、さなぎ、コーンなど多種(夏場はスイカも)。

 エサ取りが少なければオキアミでOK。ウキとオモリは狙う深さや潮流、風など状況に合わせて選びます。チヌはオモリを嫌わないから3B〜5Bが楽かも。

 釣り方は底狙いが基本。まき餌効果や海水温の上昇などで浮くこともありますが、最初は底から狙います。

 釣り場に着いたらまず、ポイントの水深を測ります。軽い負荷のウキをつけ、それより倍以上の重さのオモリ(ゴムつきなど)をハリに掛け、ウキを底まで沈めて水深を測ります。防波堤など底の起伏が少ない場所なら楽に測ることができます。

 磯は岩礁や海藻など底の起伏が激しい所が多いですが、狙うポイント近くを測ればいいでしょう。

 水深を測ったら、ウキ止めを底から30センチ〜50センチほど上にセット。磯は根掛かりが多くなりますから底から最低50センチは上げましょう。砂地なら底をはわせるのも試す価値ありです。

 ■魚の警戒心に注意

 ここで注意することは常に静かに行動すること。どんな魚も警戒心は強く、足音や荷物の置く音にも反応します。水際ぎりぎりに立って海面をのぞき込むのもNGです。

 以前、自宅近くを散歩中、用水にアユが群れで泳いでいるのを発見。近くでのぞくとアユが一斉に逃げたので、徐々に距離を遠くしながら見ていると、15メートルほどでやっと反応しなくなりました。

 これは渓流釣り、鮎釣り、海釣りなどすべての釣りで心掛けることだと思います。

 さて、いよいよ釣り開始ですが、竿(さお)を出す前にまき餌をします。潮の流れやエサトリなどの状況を把握しながら、チヌにエサをアピールをするためです。

 まき餌は基本的に潮上に打ちます。まき餌の沈下方向を見ながら狙うタナ周辺で、まき餌とサシエを合わせるようにします。海水が濁っていたり深場の場合は、両方の沈下スピードを想像して合わせます。

 ただ、チヌは少しずれていてもサシエを食ってきます。潮流に合わせてまき餌が効いていそうなポイントに仕掛けを入れるようにしましょう。

 時々、道糸を止めたり引いたりしながらサシエを浮かせて、食い気を誘いましょう。

 海が荒れ気味の時は、足元近くで大型が掛かる確立が高くなります。足元に根があったり溝があれば必ず狙ってください。

 仕掛けが際からすぐに離れるようなら、5B以上のオモリをつけて止めるようにしましょう。

 大型が掛かったらタックルの強度を信じて、竿の曲がりが満月状態になるまで耐えて竿の弾力で浮かせるようにしましょう。

 釣り始めて1時間ほどたっても釣れない時は、まき餌を足元周辺に小まめに打ち続けてください。仕掛け投入と併せて、少量のまき餌をパラッパラッとまきましょう。

 水中では、音が空気よりはるかに速く強く伝わります。足元周辺の海面の音は数十メートル先の魚も反応しています。まき餌の音と臭いでチヌをおびき寄せる感じです。

 ■狙い方を変える

 これでしばらくたっても釣れない時は、タナやオモリなど仕掛けを変えたり、狙うポイントを変えましょう。

 仕掛け回収時にウキが遠くから、ハリが手前から上がってくるような場合は上層の潮だけが流れる二枚潮かもしれません。5B以上のオモリを付け、仕掛けを足元近くで止めながら釣りましょう。

 底狙いを止め、浅い藻場周辺を流してみるのもいいですね。

 潮流が複雑な時や荒れ気味の場合は、ハリの近くに極小(G3〜2)のオモリを付け、サシエを安定させて食べやすくさせましょう。産卵期のチヌは動きが鈍く、エサが速く動きすぎると捕食しにくいのです。

 これで2、3時間たっても釣れない時は休憩するか、ここにチヌはいないと断言して場所を変えましょう。

 ■実績のある釣り場へ
 
 チヌは場所選びも重要です。やはり、実績のあるポイントへ行くのが最善の策だと思います。

 防波堤や磯、なぎさとも毎年釣れるポイントはおおむね決まっています。

 私が知っている限り、福井県内では福井港、敦賀市杉津(すいづ)岡崎磯、おおい町大島磯が3大推薦釣り場です。毎年、数多くのチヌが釣れています。

 もちろん、他でも釣れるのですが、型、量とも断トツの実績を誇っています。

 福井港は釣りやすく年中釣れます。私も含め、ここで海釣りデビューした福井の釣り人はたくさんいます。

 どこがいいのか分からなかったら釣具店や、よく釣るベテランの釣り人に聞きましょう。できれば同行させてもらうといいでしょう。

 隣で釣り方を見て勉強したり、前述の釣り方を思い出して実践してください。5、6回通えば中級者、道糸のたるみを常に修正したり、ウキの動きや道糸を張っただけでサシエの有無が分かればもう上級者です。

  ×  ×  ×

 春の海は穏やかで、柔らかい日差しが当たるころには気持ちも安らぎます。チヌ釣りは少し濁っていた方が釣りやすいのですが、澄み切った海中に仕掛けを流し込み魚を掛けるのもこの時期の楽しみの一つです。

 釣りを覚えると一生幸せになれるといいます。釣りの最中は何もかも忘れて集中することができます。

 先輩に70歳を超えた方が何人かいます。皆さんとても行動的で、釣りに行くために健康に気をつかっています。よい目標になります。

 今年も安全に十分気をつけて大いに楽しみましょう。

 (福井県釣り連盟常任委員)

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