初防衛戦に向けて技を磨く川崎文義名人=2016年12月、福井市高木1丁目の福井県かるた協会

名人位戦を前に練習に励む三好輝明八段=2016年12月、福井市高木1丁目の福井県かるた協会

 競技かるたの実力日本一を決める第63期名人位戦が7日、滋賀県大津市で行われる。初防衛戦となる福井渚会の川崎文義名人(28)=福井県越前市=に、同じく渚会の三好輝明八段(33)=同=が挑む。川崎名人は「平常心を保ち、普段通り試合に臨む」、三好八段は「自分の技を出し切れば結果はついてくる」。互いに手の内を知り尽くした2人が、最高峰の舞台で激突する。

 名人位戦での福井県勢対決は初めて。川崎名人は昨年1月、5年ぶり2度目の名人位戦で勝利し、「かるた王国福井」に初めて名人位をもたらした。三好八段はこれまで3度名人位戦に出場し、あと一歩のところで逃してきた。今回は5年ぶりの挑戦となる。

 川崎名人は、昨年の名人位戦で大切な1試合目を落とした。「平常心でいることを心掛けていたが、それでも硬さが出たのだと思う」と振り返る。初戦から実力を出すために「精神面を鍛え、これまで以上に平常心を保つすべを身に付けるしかない」と、この1年間練習してきた。家族や職場のみんなが、いかに支えてくれているかにも気づいたという。支えに応えたいという思いは増し、「応援を力に変えて奮起したい」と誓う。

 三好八段については「柔軟で自由自在。戦術のパターンも数多く、相手によって戦い方を変えることができ、駆け引きにもたけている。自分にはまねできない」と分析。しかし「かるたは自分との戦い。相手を意識せず普段通りの力を発揮するだけ」とあくまで自然体で臨む。

 三好八段は川崎名人が誕生するまで、「かるた王国福井に悲願の名人位を」という強い思いを胸に戦ってきた。川崎名人は後輩で、先を越された格好となり「正直悔しさもあった」という。

 自身3度目の名人位戦では、西郷直樹永世名人を追い詰めたが、僅差で届かなかった。なぜあのとき普段なら取れる札が取れなかったのか。「やっぱり重圧があったんでしょうね」と振り返る。

 それ以来「100パーセントの力を出さないこと」を心掛け、試合に臨んできた。「いい意味で気持ちに余裕が生まれる。全力を出そうとすると必ず気負うから」。川崎名人については「総合力が高く、自陣の札も敵陣の札も取れる隙のない選手」とみる。「勝つことを考えるより、僕のいろんな技を試合で出していきたい」と話す。

 同時に行われる第61期クイーン位戦は、坪田翼クイーン(東京東会)に、鶴田紗恵六段(九州かるた協会)が挑戦する。

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