小中学生に野球の基本を指導する元楽天の牧田明久さん=福井県越前市の万葉中

 半世紀ぶりに誕生した新球団「楽天」とともに歩んだプロ野球人生だった。今季限りで16年の現役生活に終止符を打った元楽天の外野手、牧田明久さん(34)=福井県立鯖江高出身=は「まだまだやりたかったけど、楽天で終わりたいという気持ちが強かった」と言う。古里の福井県越前市内でインタビューに応じ引退を決意した思い、新たな夢を語った。

 12月25日。「背番号25」は小中学生の野球教室のため母校万葉中を訪れていた。動きは軽快そのもの。「今でもイメージ通りに体は動きますよ」。にこやかにそう言ってフルスイングすると、打球は青空に吸い込まれるように舞い上がり、野球少年の目をくぎ付けにさせた。

 球団創設の2005年から在籍した最後の生え抜き選手。今季は若手の台頭もあり、16試合の出場にとどまった。それでも打率は3割を超えた。「まだやれる」。そう強く思っていたが、今オフに待っていたのは戦力外通告。「年齢的に考えて次は自分が切られるだろうなとは思っていた。でも、ショックでしたね」。現役続行への思いはあったが、「最後はやっぱり楽天で終わりたかった」。

 00年に近鉄にドラフト5位で入団した。そこでの1軍出場はゼロ。芽が出たのは楽天に移ってからだ。強肩を生かした好守、長打力が買われ出場機会が増えていった。13年、日本シリーズ第7戦では日本一へ導く本塁打も放った。「いろんなことを経験できた。近鉄のままだったら1軍に出られたかどうかも分からなかったのに」と笑う。

 球団創設時を振り返ると「練習環境がとにかく悪かった。不便なことはたくさんありましたね」と苦笑する。その苦労を知るからこそ「楽天への愛情は人一倍」と言い切る。

 今後は球団のジュニアコーチとなる予定で「将来は1軍のコーチや監督になりたい」。楽天戦士のその目は、しっかりと次のステージを見据えていた。

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