仕事終わりに上司と部下で乾杯することももうなくなる?
松下幸之助氏(パナソニック創業者)のもとで23年側近として過ごした江口克彦氏。若手ビジネスパーソン向けの連載として好評だった「上司と部下の常識・非常識」に続いて、「50歳からの同調圧力に負けない人生の送り方」について書き下ろしてもらう。

若者たちと食事にいくと、50歳になっても60歳、70歳になっても「自分が支払わなければならない」などと思う。先輩だから、後輩に支払わせてはいけないと思ったりする。それで頼りない袖を振る。

 

それが美徳、それが先輩らしい振る舞いだと考える。もともと払う気もない後輩を「まあ、オレに任せておけ」などと制するふりをしながら、「とりあえずの美学」で、レジに向かう。

こんな慣習、いかがなものか。その若者たち、後輩たちへの「とりあえずの美学」が、結局は、彼らをスポイルしている、自立心を毀損していることを考えなければならないと思う。

年長者が奢る必要はない

年齢だけを考えて奢ることより、先輩として人間の生き方を教え、語ることのほうが大事ではないか。大事なことは「魚を与えるより、魚を釣る方法を教える」ことではないか。それを、簡単にメシを奢ってしまって、どうする。奢ることによって後輩を喜ばせて、どうする。

なによりみっともないのは、若者や後輩にご馳走し、奢りながら「なんでお礼を言わないんだ」「お礼の一言くらい言うべきものだ」と呟いたりお説教したりすること。そんな恥ずかしい年長者、年寄りがいかに多いことか。50歳を超える年齢になると、ますますそのようなことを思うようだ。

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