北陸で唯一、大学の部活としてグライダーに乗っている福井大航空部の部員=福井県坂井市の福井空港

 北陸で唯一、大学の部活動としてグライダーに乗っている福井大航空部が今年、創立30周年を迎えた。グライダー利用が盛んな福井空港が近隣にあるという、県外大学に比べ恵まれた環境の中、「自由に空を飛びたい」と集った学生たちが活動を続けている。

 グライダーにはエンジンがなく、飛行機などによるえい航によって離陸し、上昇気流をつかんで滞空する。

 福井大航空部は学部と大学院の学生10人がいる。日本学生航空連盟東海・関西支部に所属。福井空港などの滑走路を使って操縦の訓練を積むほか、月に1度程度の合宿も行う。冬季は航空工学や気象の勉強に励む。

 工学部機械工学科3年で部長の三浦悠真さん(20)のグライダーとの出会いは、入学後の体験搭乗だ。「翼が自分の手足の延長線上にあるみたいな感覚だった」と魅力を語る。操縦かんを上下させて機首を上げ下げし、2つのペダルを踏み分けて左右の振りを調整する。上昇気流をつかんで高度を保てば、何時間でも飛行が可能だ。

 福井空港は1976年を最後に定期便が廃止された。そのため、東海・関西地方の大学やグライダー愛好家が盛んに利用することで知られる。教官で福井グライダークラブ会長の小川憲一さんは「他大学が滑空場への移動に苦労しているのに比べ、福井大生は恵まれている」と話す。

 福井大OBで全日空の現役パイロットの石戸覚さん(49)は同大航空部設立メンバーのひとりで現部員と交流を続ける。石戸さんは「地元福井の人にこそ空港を利用してもらいたいという連盟の支えもあって、部を創設することができた。部員には航空関係の仕事に就かなくても、夢を追いかける気持ちを大切にしながらグライダーを楽しんでほしい」と話した。

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