高速増殖原型炉もんじゅの廃炉決定について、松野博一文科相(左)と会談する西川一誠知事=27日午前、福井県庁

 松野博一文部科学相は27日、福井県を訪れ、西川一誠知事と県庁で会談、政府が日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(同県敦賀市)の廃炉を正式に決めたことを報告した。「来年4月をめどに政府含め廃止措置体制についてより詳細な計画を示し、廃止措置作業開始に当たって地元の理解得るべく具体化に取り組む。年明け以降、4月を待たずに検討を進め、福井県にもさまざまなレベルで相談したいと思う」と述べた。

 西川知事は、政府の廃炉決定を「拙速に方針を示したことに県民は不信感を持っている」と批判、廃炉について「原子力研究会開発機構任せにせず、政府が責任を持った体制にする必要がある」と強調。早期に体制を示すべきだと求めた。また「政府の方針転換で混乱が生じているのは現場であり地元。国策に協力している立地の安全安心を第一に考え、政府一体となった責任ある対応をなすべきだ」とした。

 松野大臣はもんじゅ敷地内に原子力研究や人材育成に資する新たな試験研究炉の調査研究を進めるとし「そのため1月にも有識者会議を設置し、検討を開始すると共に、来年度予算に調査費1100万円を計上している」と明らかにした。

 同席した日下部聡・資源エネルギー庁長官は「福井県にはもんじゅ以外にも数多くの原発が立地しており、地元の理解と協力なくしてわが国の原子力政策は成り立ち得なかった。今後とも乗り越えなければならないさまざまな課題があるが、地元の支えあってのことという点を常に肝に銘じながら対応しなければならないと考えている」とし立地地域と対話を重ねながらしっかりと対応していく考えを示した。

 また世耕経済産業相が、原子力に関する地元の事情を聴くため福井県を訪問する考えであることも伝えた。

 会談後、松野氏は、「廃炉の運営に関しては法律上設置者という規定があるので、原子力機構が主体としてとなるが、政府としても一体として指導監督に当たりたいと考えているし、第三者による技術評価、内外の英知を結集して安全性確保第一に進めていきたいと考えるし、その旨を地元に丁寧に説明し、理解を得たいと考えている」と述べた。

 政府は21日、福井県と情報を共有するために開いた関連協議会で、廃炉方針を説明したが、西川知事は地元の理解なしに容認できないと反発。政府は知事の意向を押し切る形で、協議会後の原子力関係閣僚会議で廃炉を正式決定した。

 松野氏は協議会の場で、政府が一体となって原子力機構を指導し、廃炉作業を安全に進めるため、第三者の技術的評価も加える特別な廃炉措置体制を構築する方針を提示していた。

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