密集する切り妻屋根の家々。白壁に格子状に組まれた木が映える=福井市末町

 福井市末町に軒を連ねる切り妻屋根の民家群。白壁と格子状に組まれた黒や茶色の木とのコントラストが美しい。どことなく郷愁を感じさせ、末町の郷土誌編さんに携わった辻田勝美さん(74)は「昔ながらの素朴な山村って感じだよね」としみじみ眺める。

 大正時代から昭和初期に建てられたものがほとんど。辻田さんによると、当時大火事があり、住民が一斉に家を新築したという。切り妻屋根は一般的に傾斜がきつく雪が積もりにくいため、豪雪地の建物に多いとされる。特徴的な白壁と格子状のデザインの民家は、集落約60軒のうち20軒ほどあり、辻田さんは「当時のはやりだったのかも」と推測する。

 いくつかの民家には、屋根の上にさらに小さな屋根が突き出ている。けむ出しと呼ばれるいろりの煙を外に出すための構造物で、今でもいろりが“現役”の民家があるという。

 切り妻屋根の民家が密集して見える風景は、7年前に住民が偶然発見した。近くの山に林道を造った時、木を伐採して視界が開けたため気付いたという。それ以来この林道は、知る人ぞ知る眺望スポットとして静かに広まっている。昨年は、人気サスペンスドラマのロケが行われこの風景が登場した。

 しかし、伐採後に植林した木が育ってきており、この風景が見渡せるのは、あと5年ぐらいだという。

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