エバ漁の竹かごは高さ約3メートル、直径約1・5メートル。重機を使い、3人がかりで仕掛ける

 福井県大野市から福井市にかけての九頭竜川流域が生息地として国の天然記念物に指定されているアラレガコを、川に仕掛けた竹かごで捕る伝統漁法「エバ漁」が今冬も永平寺町で行われている。漁獲の減少などで10年近く途絶えていたが、九頭竜川中部漁協が昨冬に復活させた。漁師は「アラレガコの呼び名の通り、あられが降るような寒い日によく捕れる」と話し、寒風の中で奮闘している。漁は12月末まで続く予定。

 エバ漁の竹かごは高さ約3メートル、直径約1・5メートルの円すい形で、横倒しに仕掛ける。11月から翌年1月ごろの産卵期に川を下るアラレガコを捕まえる。今冬は11月下旬に漁を始め、体長20センチほどのアラレガコが多いときで1日3匹捕れている。かつては1日で20〜30匹ほど捕れたという。漁の結果は保護に向けた生息数調査にも活用されている。

 永平寺町の料理店「さぎり屋」代表で同漁協理事の椛山義洋さんは「最低気温が2度以下の日を中心に捕れている。川が荒れて増水している時がいいのも、かつて漁をしていたベテランの言っていた通り」と語る。

 アラレガコは福井県内だけの呼び名で、標準和名は「カマキリ」「アユカケ」。江戸時代の書物に県内の名産品の一つとして紹介され、「あられが降るとき、腹を返して流れる」と記されたのが由来といわれる。天然記念物指定では、独特の漁や料理を育んだ文化も保護の対象になっている。

 椛山さんは「ベテランにエバの作り方や仕掛ける場所などを教えてもらいながら、天然ものを捕る漁の技術を次の世代に伝え、アラレガコの地域ブランド化を目指したい」と意気込んでいる。

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