酒井さん(左)と円谷英二生家跡で喫茶店を営む円谷誠さん=福島県須賀川市

 福井市のプロモデラーで大の特撮ファン、酒井正人さん(53)が作った縮尺150分の1の「ウルトラマンVSベムラー」のジオラマが、ウルトラシリーズを世に送り出した円谷英二の生家跡(福島県須賀川市)に展示されている。スーツのしわまで精巧に再現されたヒーローと迫力あふれる怪獣は、生みの親の生誕地でファンの目を楽しませている。

 酒井さんは模型ファンの依頼を受け、特撮ヒーローなどのガレージキットの組み立てや塗装を手掛ける技術者。ウルトラマンやゴジラなど300体以上を作ってきた。鉄道ジオラマにも定評がある。

 展示作品は、2016年の「ウルトラマン生誕50年」を記念し、昨年末に作った。第1話の対決シーンをモチーフに、前傾姿勢のウルトラマンとベムラーが相対する構図。スケールこそ違えど、質感や臨場感にこだわり、緻密な仕上がりになっている。

 生家跡の一角では現在、子孫の円谷誠さんが喫茶店を運営。同じ跡地内に英二愛用の8ミリカメラなどを飾ったギャラリーがある。酒井さんは喫茶店に客として訪れ、交流を深めてきた。今夏、誠さんから「よかったら(ギャラリーに)置かせてほしい」と依頼され、快く引き受けた。納品にあたり、第1話のロケ地である猪苗代湖の景色を背景に加え、臨場感を出した。

 「ファンの聖地として知られている場所だけに非常に光栄。この上ない幸せ」と頬を緩める酒井さん。納品した日の翌日は、ちょうど50年前に第1話がテレビ放映された日だったという。「奇跡的なタイミング。天国で円谷英二監督が見てくれているかと思うと感慨深い。特撮を愛してきてよかった」と目を細めた。

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