福井県小浜市田烏の特定失踪(しっそう)者、山下春夫さんの兄寛久さん(86)を仲立ちに、田烏小児童が交流を続けている秋田県の中高生兄妹から、同校に米が届いた。米は青森県の特定失踪者の母親(86)がこの兄妹に贈った一部で、「山下さんのように家族の帰りを待ちながら、一日を大事に生きているおばあちゃんの心を伝えたい」とおすそ分けして送ってきた。二十二日の終業式で、学校から児童一人一人に配られた。

 送り主は、全国の拉致被害者や特定失踪者と交流している秋田県能代市の高校二年生、伊藤佑歩君と中学二年かいなさんの兄妹。高齢ながら弟の生存を信じて活動する寛久さんをインターネットで知り、昨春、ブルーリボンにちなんだ青色の折り鶴や励ましの言葉をしたためた色紙を贈った。

 心温まるプレゼントに感動した寛久さんが、同年七月に田烏小で講演した際に、児童から寄せられた感想文を兄妹に送ったことをきっかけに、学校との交流が始まった。

 米は、兄妹が交流する青森県の特定失踪者の母親からもらった「つがるロマン」八キロ。同封の手紙には、児童が先日贈った「サバのなれずし」のお礼と、「おばあちゃんの心をおすそ分けしたい」との贈り物の意図が記されていた。

 寺下明男校長は「(伊藤兄妹のように)思いやりの心や出会いを大切にしてほしい」と、全校生徒二十五人に配った。代表して受け取った山下大成君は「感謝して大事に食べます」と話していた。
 児童たちは年明けに米を食べた感想をしたためて兄妹に送り、交流を深めていくという。

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