もんじゅ関連協議会後、記者団の質問に答える福井県の西川一誠知事=21日午前、文科省

 政府は21日午後、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について原子力関係閣僚会議を開き再稼働せず廃炉にすることを正式に決定した。これに先立つ午前中のもんじゅ関連協議会で福井県の西川一誠知事は「地元の理解なしに廃炉は容認できない」と主張。地元了承は得られていないままの決定となった。

 政府は19日のもんじゅ関連協議会で廃炉方針を伝えたが、西川知事は「説明が不十分で、到底受け入れられない」と反発。もんじゅがトラブル続きでほとんど運転していないことを「国として反省が十分示されていない」と指摘した。また原子力規制委員会が運営主体として不適格だとした原子力機構が廃炉作業を担うことに懸念を示し、安全を確保できる体制の検討も求めていた。

 21日午前、改めて文部科学省でもんじゅ関連協議会が開かれ、政府は再度西川知事に廃炉方針を説明した。その際知事は「県と敦賀市の理解、納得を得なければ廃炉作業には移れない」と述べたが、松野博一文部科学相は「もんじゅの扱いを午後の閣僚会議で諮る」と西川知事に伝えた。

 政府は「もんじゅは技術的に問題があったのではなく、保全体制や人材育成、関係者の責任関係などマネジメントに問題があった」との総括も示したが、知事の理解は得られなかった。廃炉作業を安全に進めるため、政府が指導・監督し、第三者の技術的評価も加える特別な廃炉措置体制を構築する方針も示した。

 知事は会議後、記者団に「廃炉を容認していない」と明言した。

 政府は廃炉には30年で最低でも3750億円かかると試算。2022年までに使用済み核燃料を取り出し、47年に解体を終える工程を示している。

 後継として、より実用化に近い高速炉の実証炉の開発に着手する。だがもんじゅに1兆円以上の国費を投じながら、開発失敗の反省や検証は不十分で、国民の理解は得られない。堅持するとしている核燃料サイクル政策の見直しも必至だ。

 もんじゅは原発の使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムを燃料に使う核燃料サイクルの象徴的な施設。消費する以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」と称されたが、1994年の初臨界以降、ナトリウム漏れ事故などのトラブルが相次ぎ、フル出力運転にも至らず運転実績は250日だった。

 廃炉の理由として、再稼働するためには東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準などの対応に、5400億円以上の経費が必要となることなどを挙げた。

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