関西電力は二十一日、二○○四年八月に十一人が死傷する事故を起こし停止している美浜原発3号機(福井県美浜町)を、来月十日に起動すると発表した。県庁で会見した関電原子力事業本部の森本浩志本部長は、遺族の了解について「気持ちの整理がつかない方はいるが、一定の理解を得られた」と述べ、現場の安全意識の高まりや原発の社会的役割を含め、総合的に勘案した結果の判断とした。

 美浜3号機は起動の翌十一日に調整運転を開始する。十六日ごろに100%出力に達し、国の総合負荷性能検査に合格した後、二月上旬に営業運転を再開する予定。

 森本本部長は「試験運転などを通じて、社員や協力会社の安全意識、運転再開に対する士気が上がっている。再起動に最善の時期にきている」と説明。地球温暖化防止やエネルギー安定供給の観点から原子力の重要性が高まっていることを挙げ「健全性が確認できたプラントを実際に運転して安全に努めている様を社会に示すことが当社に課せられた責務。美浜3号機もその役割を担わなければならない」と強調した。

 遺族には十九、二十日に森詳介社長と森本本部長が直接面会。再発防止対策を着実に実施し、今後も誠心誠意対応していくことを誓った上で、発電所の社会的役割を説明し理解を求めたという。

 また、美浜3号機再開後に進めるとみられるプルサーマル計画について、森本本部長は「中長期的には取り組まなければならない課題」としながらも「今は全く頭になくコメントできる状況にない」と述べた。

 森本本部長から今後の方針について報告を受けた飯島義雄副知事は▽安全を最優先し発電所の安全確保に努める▽遺族や負傷者に誠心誠意対応する▽再発防止対策が一層現場に定着するよう取り組む—の三項目に万全を期すよう要請した。