北陸新幹線や特急しらさぎのルート

 北陸新幹線敦賀以西の小浜・京都ルート実現によって、北陸と関西圏の移動時間は劇的に縮まり、交流人口のさらなる増加が期待できる。その一方で、北陸は中京圏とも経済的な結び付きが強い。2027年にはリニア中央新幹線の名古屋開業を控える。北陸と名古屋を結ぶ特急しらさぎの存続はもちろん、高速化によるアクセス向上が重要になる。

 「小浜・京都案が採用された場合、特急しらさぎの本数を維持、増加し、高速化も実現してほしい」。11月30日の与党検討委員会で、富山県の石井隆一知事は敦賀以西整備後を見据えた対策を訴えに盛り込んだ。石川県の谷本正憲知事も12月5日の意見聴取で「名古屋への移動に格段の配慮を」と要望した。西川知事も以前から強く求めており、北陸3県は中京圏への利便性向上についても考えが一致している。

 石川県会が昨年9月議会で米原案による早期整備を求める決議をした理由の一つが、米原駅での乗り換えの課題はあるものの「北陸と関西圏、中京圏が新幹線で同時につながる」という点。富山県の利用者も、同県の独自試算では富山駅から北陸新幹線を使い、京都駅で東海道新幹線に乗り換えて名古屋に向かうと現状より75分短くなるが、運賃は5010円高くなる。

 与党検討委の中間報告には「北陸と中京圏のアクセス機能の確保へ検討に着手することが必要」と明記された。14日の会合後、委員長の西田昌司参院議員(京都選挙区)は「ルート以外にも地域の思いを反映させた」と述べた。

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 県新幹線建設推進課によると、14年度の北陸と中京圏(愛知、岐阜、三重県)を行き来する鉄道利用者の流れを示す「旅客流動」は1日当たり3900人だった。
 関西圏(2府4県)との旅客流動1万7300人と比べると約4分の1だが、リニア中央新幹線が開業すると東京(品川)—名古屋は約40分で結ばれる。北陸と中京圏の交流が多くなり、リニアの沿線地域から名古屋を経由して北陸を訪れる観光客も飛躍的に増える可能性がある。

 リニア開業による経済波及効果を最大化する鍵となるのが、しらさぎだ。JR西日本と東海は現在、金沢—米原と金沢—名古屋をそれぞれ1日8往復運行しており、敦賀—新大阪開業後も運行存続に前向きな姿勢を示している。

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 そこでクローズアップされるのが、しらさぎの高速化。県は独自に研究し、JR西や国土交通省などに要請している。

 現在、敦賀—名古屋(延長126キロ)の平均時速は89キロで、停車時間10分を含めると95分かかる。このうち米原—大垣(延長36キロ)の平均時速は80キロで、敦賀—長浜(延長38キロ)の100キロより20キロも遅い。スピードアップのため県は、速度の遅い米原—大垣の軌道強化や滋賀県内を走る線路のカーブを緩くする改良を提案している。

 ただ、高速化の実現には多額のコストが掛かることが想定される。県新幹線建設推進課は「北陸と中京圏のアクセス向上は、両エリアのさらなる発展につながる。北陸3県をはじめ、しらさぎ沿線の滋賀、岐阜、愛知県とのスクラムを強化し、国やJR西、東海と具体化に向けた協議を進めていきたい」としている。

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