ファッションショーに合わせ、ユティックが手掛けた製品などを展示したブース=インドネシア・ジャカルタ(同社提供)

 染色加工のユティック(本社福井県坂井市春江町田端、山口基樹社長)はこのほど、インドネシアの首都ジャカルタで開かれたファッションショーで、イスラム教徒の女性向けブランドに同社加工の生地を提供した。既に中東にイスラム教徒の衣装用生地を輸出して支持を得ている強みを生かし、インドネシアの新鋭デザイナーと組んで魅力を発信。反応は上々ということで、約2億人のイスラム教徒が暮らす同国での販路開拓の足掛かりとなった。

 同社は、イスラム教徒の女性が身にまとう漆黒の民族衣装「アバヤ」用の生地加工に力を入れている。素材はポリエステルで、太陽光を受けて美しく映える技術を使った染色と、シルクのように軽く柔らかい風合いに加工しているのが特長。アバヤ用の生地加工では、中東で約80%のシェアがある。

 インドネシアでイスラム教徒の女性向けブランド「ノーマ・ハウリ」を展開するデザイナーのノーマ・モイさんが今春に来日した際、同社の製品に関心を持ったのをきっかけにショーで協力することになった。

 同社は、モイさんの求めに応じて白、黒、赤などさまざまな色に加工した生地やスカーフ計20点を提供した。インドネシアのイスラム教徒の女性は黒だけでなく、多彩な色の衣装を着用する。「中東と比べてファッショナブル。日本の若い女性が着ているような服もある」(山口社長)という。

 このほど開かれた「ジャカルタ・ファッション・ウィーク」は東南アジア最大規模のファッションイベントで、同社はショーに合わせて会場にブースを設置した。ショーで使われた衣装などを展示し、インドネシアのアパレルメーカーが関心を示していたという。

 山口社長は「質の高さをアピールできた」と手応えを感じた様子。今後については「イスラム教徒が多いインドネシアは魅力的な市場。関税などの面で課題があるが、今回の経験を次につなげていきたい」と話している。

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