福井県小浜市街地(右)の前に広がる小浜湾

 環境省が内湾や湖沼を対象に、新たに地域に応じた沿岸透明度の目標値を設定するのに際し、全国に先駆け福井県の小浜湾がモデル内湾に選ばれた。小浜湾では、水質浄化作用のある海草アマモの再生活動が10年以上続けられるなど、保全活動がモデルの条件に合致した。来年1月にも地元の専門家ら関係者による検討会があり、年度内に目標値を設定する予定。

 昨年12月に中央環境審議会の専門委員会が「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」とする報告書をまとめ、同審議会が環境相に答申した。

 報告書では「より国民の実感に合った分かりやすい指標」として沿岸透明度を導入。「環境基準ではなく、地域において設定する目標」としている。目標値の設定は「水生植物の保全・再生」と「親水利用の場の保全」の両観点から「望ましい環境上の条件」としている。

 小浜湾では、2004年に小浜水産高(現若狭高)のダイビングクラブ生がアマモの再生活動に着手。翌年から市民も加わり「アマモ・マーメイド・プロジェクト」を進めてきた。13年からは「海のゆりかごを育む会」が、漁業者らと連携して種を付けた専用のマットを海底に敷設する活動を続けている。

 育む会の西野ひかる事務局長は「さまざまな人が小浜湾の環境保全に取り組んでいることが評価されたと思う。水質はまだまだ改善されず、アマモの再生も厳しい状況。地域のいろんな方が考え、話し合うことで改善に向けた一歩になれば」と期待している。

 同省水環境課によると、今後、全国で地域に応じた目標値が設定される際に、小浜湾の検討会の取り組みなどを参考にしていくという。湖沼部門は長野県の諏訪湖がモデルに選ばれ、両モデルによる目標値設定事業には約千万円の予算を見込んでいる。

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