敦賀以西を巡る沿線知事らの支持ルート

 北陸新幹線の敦賀以西ルート選定に向け、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委員会は5日、沿線自治体の7府県からの意見聴取を終え、福井県をはじめ石川、富山の北陸3県が支持する小浜・京都案を選定する方向で与党が最終調整に入った。北陸3県知事の足並みがそろったことが、強力な“追い風”になった。

 ■利便性で小浜・京都

 「旅客流動の多い北陸と関西圏を早く結ぶことができ、利用者負担も最少だ」。西川一誠知事は11月22日、沿線自治体のトップを切って検討委に出席し、小浜から京都経由で新大阪に至る小浜・京都案での建設をあたらめて主張した。

 営業主体のJR西日本も支持。米原、舞鶴案には利用者の視点が欠けているとして西川知事は「利用者の利便性を最優先にすべき」と訴えた。

 これに同調したのが富山県の石井隆一知事だ。30日の検討委で「小浜・京都案が望ましい」との考えを示した。「北陸新幹線の金沢開業で、富山県民は関西方面へ行く際、むしろ不便を感じている人がかなりいる。やはり、乗り換えがなく、速達性に優れ、運賃も安い方がいい」。富山から新大阪まで約98分との試算も示した。

 石川県の谷本正憲知事は5日にようやく、小浜・京都案を支持すると表明。「これまで北陸3県が思いを同じにして活動してきた。福井、富山県の思いも大切にした」と記者団に理由を述べ、北陸一丸をアピールした。小浜・京都案が実現した場合の北陸と中京圏のアクセス確保は、石井、谷本両知事が検討段階で特段の配慮を求めており、今後の課題となりそうだ。

 ■米原、舞鶴は劣勢

 乗り換えが必要で所要時間が一番長く、料金が最も高いとされた米原案。滋賀県の三日月大造知事は5日、「国の試算結果で、最も投資効果が優れていると示された。多額の投資が必要なだけに国民的な議論も必要」と訴えた。

 米原案は石川県会も推していたが、谷本知事が小浜・京都案支持を明言し、北陸3県が一致したことで追い込まれた形だ。

 国土交通省の試算で、費用対効果が0・7と投資に見合わないとされた舞鶴案も窮地に立たされた。京都府の山田啓二知事は11月30日の検討委で、舞鶴市など沿線の地域経済効果を考慮すれば1以上に改善されるとする独自の試算を示し反論したが、JR西は同案に否定的。別の案を推す与党国会議員からは「将来の山陰新幹線実現につなげるための布石のつもりでは」との声も出ている。

 検討委は7、12、14日の計3回の会合を持ち、14日をめどに中間とりまとめを行う予定。上部組織の与党PT座長の茂木敏充自民党政調会長は「ルートは与党PTで決める」と明言しており、検討委で絞り込みをせずに、20日にも開かれる与党PTで正式に決定するとみられる。

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