福井市は七日、出産費用を国民健康保険の出産育児一時金から市が直接医療機関に支払う「受取代理制度」を来年四月に導入する方針を明らかにした。少子化対策の一環で、出産時の費用準備が一時金の範囲なら不要になる。

 この日の市会本会議で、西本恵一議員(公明)の一般質問に高橋英幸福祉保健部長が答えた。

 同制度は、被保険者が医療機関を受取代理人として、出産前に出産育児一時金を市に申請。被保険者に代わって市が三十五万円を支払う仕組み。

 市は具体的な要綱を作成中で、一時金の申請受け付けは出産予定日の一カ月前からとする方向で検討。出産費用が三十五万円を超えた場合は差額分のみ被保険者が支払う。費用が三十五万円未満だったときの差額は市から申請世帯主に支払われる。制度適用を始める具体的な期日は今後詰めていく。

 これまで一時金の申請は出産後にしか行えず、被保険者は多額の出産費用を一時的に用意する必要があった。市保険年金課は、制度導入により「安心して出産できる環境を整えたい」としている。今後、各医療機関への協力依頼を進めるほか、市政広報などで市民への周知を図っていく。

 同制度は、国の医療制度改革の一環として今年十月から認められ、導入は市町村の任意。県内では永平寺町が十月から取り入れている。

 市は、県内市町の導入状況や要綱にばらつきがあると医療機関に混乱が生じるとして、県内八市に一斉導入を呼び掛け。県もこうした動きをとらえ、全市町の意見を集約して統一的な要綱のたたき台作成に取り組んでいる。こうした調整がスムーズに進めば、来春から県内一円で受取代理制度が導入される可能性もあるという。