認知症の高齢者に声を掛ける福井県民生協「ハーツ羽水」の店員。事業所の見守り活動が広がっている=福井県福井市木田3丁目

 認知症を正しく理解して本人や家族を支える「認知症サポーター」を、企業内で養成する例も増えている。県内207カ所の郵便局では、今年3月までに社員557人がサポーターになった。養成講座を開いている福井市の越前本郷郵便局長の林田静治さん(46)は「知識を身に付けることで、通帳をなくされたときなどに自尊心を傷つけない対応ができるようになった」と話す。

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 県内の認知症サポーターは11万9629人(3月末現在)で、人口に対する割合は全国2位。認知症の人は2万8486人(2017年4月現在)で、1人につき約4人のサポーターがいる計算だ。だが、県民生協の高齢者福祉施設「大野きらめき」(大野市)施設長の江戸義鷹さん(34)は「サポーターは多くても、ただいるだけ」と物足りなさを感じている。

 認知症カフェ運営などの担い手を増やそうと、県長寿福祉課は16年度から、サポーター対象のステップアップ研修を開始。昨年度までに352人が受講したが「実際の行動に移せるよう現場につなぐ仕組みがまだ不十分」(同課)と活動の活発化に苦心する。

 江戸さんは、行政と協力して取り組むステップアップ研修に同施設が行っているデイサービスを取り入れ、認知症の人と実際に触れ合う機会をつくっている。「まちで認知症の人に出会ったときにも実際に対応できるのが、サポーター本来の役割。そうなって初めて『優しい県・福井』への一歩につながるはず」と考えている。

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