福井市議が使い回していた視察報告書

 福井市議会で2015年度、政務活動費を使った県外への団体視察が33回あり、このうち19回で参加者の一部や全員が報告書を使い回していたことが3日、政活費収支報告書で分かった。関与したのは市議32人中26人に及んだ。同市議会では視察経費の領収書添付は不要で、専門家は「領収書がなく、報告書も同じでは本当に視察したのか確認できない」と批判している。

 参加者の1人が作成した報告書をコピーしたり、体裁を変えたりして市議会に提出したとみられる。共産党を除く全会派で使い回しがあった。

 33回の県外視察に参加した市議は延べ155人で、約65%に当たる延べ100人分に流用があった。旅費などとして支出された政活費は計約714万円に上る。

 15年7月に2泊3日で農協など秋田県の3施設を回った自民党系会派の視察では、10人中8人が全く同じ報告書を提出。視察概要と「攻めの農業を実践している」と感想を記していた。残る2人のうち1人は一部を流用し、もう1人は独自に作成していた。

 同一の報告書を提出した市議の1人はコピーしたと認め「視察内容は全員同じで問題ない」と強調。視察には1人当たり約10万円の政活費が支出された。議会事務局も「マニュアルに定めていないのでとがめられない」としている。

 また別の会派の市議は「視察した議員の感想や意見を会派としてまとめたものを報告書に記載しているだけで、決して使い回しをしているわけではない」と話している。

 同市議会では、視察に関する交通費や宿泊費の内訳を記入して提出するが、領収書添付は不要。報告書作成も義務化しておらず、提出すらしていない議員も多数いた。福井県議会でも宿泊費や鉄道料金の領収書添付は必要ないとされている。

 政活費に詳しい北海道町村議会議長会の勢籏了三参与は「市民の税金という意識があれば、報告書の使い回しはできないはずだ」と指摘した。

 千葉県議会や松江市議会でも同じ視察報告書を提出していたことが判明している。

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