経営会社が民事再生法の適用を申請した「わかさカントリー倶楽部」=2日、福井県若狭町

 ゴルフ場の「わかさカントリー倶楽部」を経営する日興(福井県若狭町、内藤圭介代表取締役)は1日、民事再生法の適用を福井地裁に申請し、保全処分と監督命令を受けた。負債総額は約95億円。2日に記者会見した申立代理人によると、ゴルフ場の営業はこれまで通り継続し、従業員の雇用も維持されるという。今後スポンサーを選定し、事業譲渡などを行っていく。

 申立代理人の前波裕司、八木宏両弁護士と帝国データバンク、東京商工リサーチ両福井支店によると、負債の内訳は全国の会員約8300人の預託金が約89億4千万円、金融債務が約5億3千万円など。債権者の規模の関係から大阪地裁への移送が決まった。

 日興は1975年の設立で、翌76年わかさカントリー倶楽部をオープンした。88年に全27ホールに増設し、ピーク時の92年3月期には約12億4千万円の年間売上高があった。

 しかし、以降は来場者が伸び悩み、99年には預託金の償還期限に財源が確保できなくなるなど経営に行き詰まり、福井地裁に和議を申請した。その後、和議認可決定が確定し、預託金債権は10年間据え置いた上で、2012年から毎年4千万円を上限に、抽選で償還を継続することとなっていた。

 15年までは償還してきたが、ゴルフ人口の減少もあって16年3月期の年間売上高は約3億3千万円に落ち込み、預託金返還負担が大きくなった。設備の老朽化対策も必要となり、経費削減をしたものの資金繰りが厳しくなった。

 こうした状況下、地元の有力な複数の会員から民事再生手続きを前提に支援の申し出があった。当面の運転資金にめどがつくなど事業継続の見通しが立ったことで、民事再生法の適用申請に至った。

 ゴルフ場は引き続き営業し、会員のプレー権は保持される。同社は正社員17人で、給与の未払いはなく、雇用も維持される予定。

 前波、八木両弁護士によると、今後は年内をめどにスポンサーを募り、早期に選定して新たな運営主体に事業を移す意向。スポンサー選定に当たってはゴルフ場の質の維持・向上につながるかを重視する考えで、既に複数の候補がいるという。

 債権者説明会は12日午後2時半から若狭町のパレア若狭で開かれる。

関連記事